たまごと食パンとひと手間と/タミヤのホルヒは「選ぶ楽しさ」を教えてくれる。

 ゆで卵に食パン。それほど手間がかからずに食べられる、美味しい朝ごはんです。そんな食事と同じように、いにしえのミリタリーミニチュアシリーズには「細かいことは抜きにして、あれよあれよと形になってしまう魅力」があると思います。
 すぐ形になるだろうという期待とともに、ドイツ大型軍用乗用車ホルヒ・タイプ1aを買ってきました。完成後は結構大きそうなプラモデルなのに、ランナー3枚とクリアパーツという部品の少なさ。

 大きなシャーシのパーツに、ザクザクと車体下部の骨組みがついて、気づいたら密度感たっぷりの車の裏側が出来上がります。やっぱり!と言いたくなるようなスピード感でめちゃくちゃ手軽にプラモ作ってる感を味わえる。

 車体は板状のパーツをしっかりと組み合わせる形。位置や取り付け角度を意識しながら作っていくと、しっかりと箱形になります。接着剤でメリメリとくっつけていくときの手応えが気持ちいい。今のタミヤのプラモデルのような凝ったおもてなしとは違う、セルフサービスのめちゃくちゃ美味い店のような良さがあります。

 このホルヒ、マジで偉いのは幌を収納した状態と、展開した状態を選べること。しかも差し替え可能になっているので、どちらの状態をいつでも楽しむことができます。

 幌を展開した状態は、幌の表現やクリアパーツも決まっていて、見栄えの良い仕上がり。ゆで卵とパンをそのまま食べる日もあれば、卵を刻んでマヨネーズと混ぜてパンに挟んでたまごサンドの日もある。同じプラモでも、どっちがいいかをいつでも選べるというのは最高だと思います。

 説明書の完成見本にはフロントバンパーにワイヤーロープが巻き付けられていますが、箱に書いてある絵には実はワイヤーロープがありません。説明書にもロープの有り無しのホルヒの写真が載っています。そういったところも、「どの姿が完成なのかを選べるよ」といった感じで、とてもいいプラモデルだなと思いました。

<a href="/author/crisci4mens/">クリスチ</a>
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。