

タミヤといえば戦車模型。戦車模型といえばタミヤ。1/35で展開されるミリタリーミニチュアシリーズはすでに370を超えるアイテムが発売されてきました。すごいな!そしてプラモ大好き少年はタミヤのカタログを貪るように読んだり模型屋さんで箱をン千回と眺めているうちにいつしか全部を知ったような気になってしまうわけですが、よく考えたら組んだことあるもののほうが少ない。これはまずい。
いくら名作で、いくら語り尽くされていたとしても、自分で組まねばわからんこともある。ということで組む。今日は1/35 ドイツ8トンハーフトラックSd.Kfz.7だよ。どう見ても戦車じゃないですね。これはアレです、戦地で人を運ぶバスみたいなもの。


このキットは1972年生まれ。70年代のタミヤ、マジゴツい。お父さんの手のような頑丈さ。抱きしめられるような安心感。これ、組んでいてわかったんですけど、これもともとはモーターで動くモデルだったんですね(モーターなしのディスプレイモデルとして発売されたのは’84年のことらしい)。だから繊細なパーツで複雑な構造を再現〜ではなくて、ひとつひとつのパーツを大ぶりにしながら可能な限りディテールを入れ、結構な力がかかる電動ギミックにも耐えられるようにしてある。だからといって簡素とか大味じゃなくて、シンプルさとプラモらしい端正な彫刻を両立してあるのがすごい。

車輪の量を見るといつも「ドイツの兵器を考えている人はヤバいのか!?」と怯んでしまう。これもちゃんとくるくる回らなきゃいけないから、中心に空いた穴に車軸を通したあとでポリキャップ(そう、文字通り「キャップ」だ)をはめ込んで留める設計になっている。なるほど、これなら接着剤を間違えて回転部に流してしまって走らなくなっちゃった……みたいなことにならないね。

シャーシにサスペンションやら駆動系のパーツを組み込んで、転輪を全部ハメた状態。なぜおまえらはそんなに互い違いにたくさん……と思いたくもなるけど、やはり電動模型だった名残で構造はかなりシンプルかつ頑丈だ。こういう複雑な造形が少なめの手数でもりもりと出来上がるとテンションが高くていい。ダイナミックにグイグイ進むのが視覚に良い。

上に乗っかるキャビン。これまたワンパーツで、ちゃんと側面に打たれたリベットなんかもスライド金型によって再現されている。後ろの比較的大きな空間に電池を入れる設計だったようだ。現在買えるものはディスプレイモデルだから、前提となる知識がないと無意味なハコを接着する工程に面食らうかもしれない。

このキャビンに乗るのはわくわくアニキたち。説明書に描かれたイラストが本当に本当に良い。むっつり顔で運転するやつ。とくに会話もなくつまらなそうにする助手席のやつ。後ろには3人がけのベンチシートがふたつあり、リンゴを齧っていたり後ろに向かってギャグを言ったりそれに爆笑しているやつがいたりと、それぞれに個性がある。これが全員マジメな顔でキリッと前を向いていたら朗らかな行軍にはならない。プラモのフィギュアが車両そのものの芝居になっているのだ。

車体がベージュなのに対して、兵士たちはグレーのプラスチックだ。上半身と下半身を分割されて、みんな行儀よくランナーに収まっている。しかし顔の表情は少しずつ違うし、組み立てるとさっきのイラストのような個性あふれるチームに鳴るという寸法だ。いいね〜。

昔このトラックに機関銃を積んだタイプを買ったことがあって、そのときはヒイヒイ言って組んでた記憶がある。けど、いまではもう接着剤が進化しまくっているのでバリバリ組めてしまう。あれ、プラモうまくなったかな?なんてことはなく、とにかく道具が良くなっているから昔のプラモもらくらく組めてしまうのだ。「プラモ昔組んだけど、不器用だからなオレは〜」なんて言ってるそこのあなた。いまの工具と接着剤はマジですごいのでイマこそ組むといいですよ。

細かいパーツは折れたりしたら嫌なのでとりあえずここまで組んでどんな色にしようか考える。前がタイヤでうしろがキャタピラ。この半人半獣みたいなメカの衝突は今も昔もワクワクを乗っけてタミヤMMの世界を駆け回っている。そのものズバリの再販はここ最近されていないようだけど、バリエーションのキットは普通に買えるし、模型店をちょっと探せばこのハーフトラックも手に入るはず。1970年代のタミヤ製品だからこそ味わえる、ちょっとゴツくて力強いパーツを味わうの、マジおすすめです。ここにしかない栄養があるね。