どこまで君を褒めたらいいのか/SWEETの「POW」なマスタング。

 店員をやっていたせいか、在庫を発注する感覚でトイレットペーパーだとかティッシュなどの日用品をまとめてネット通販で買ってしまう。

 そのときに「ついでに」と言いわけをしながらプラモデルも頼む。プラモデルのネットストアでの買い物と実際の買い物との違いは、商品ページに載っている画像だと思う。プラモデル売り場では箱を一様に見ることになるが、ネットストアでは塗装図だったり、完成品だったりとそれぞれ異なる。

 SWEETの1/144 17 P-51B/C POW マスタングもそうで、スウェーデンやスイスで使用されたという塗装図が目に入ったので購入することにした。

 到着したプラモデルの箱を見るとPOWは”prisoner(s) of war”の略ということで、捕虜機を指しているということがわかった。

 箱にもそれは書いてあるが「捕まえた!」と、猫を抱えた女の子のNASAちゃんが発していることも明らかだ。「POW」の意味だとかパッケージの良さに関心を示しながら、クルッと箱を裏返したら、しばらく開いた口がふさがらなくなった。

 そこには日本機仕様に塗り替えられたP51のイラストが描かれていたからだ。しかも、NASAちゃんに抱えられた猫はすっかり白旗を振って降伏ムード。

 プラモデルの箱の表裏を巧みにあやつり、ストーリー性を持たせることで「このPOWマスタングとはどういうものなのか」を瞬時に分からせる芸当に、一瞬で心を掴まれた。

 さらに芸が細かいのは日本軍のデカールで、日の丸の下にアメリカ軍の星マークが透けている。本当に箱からデカールまでやることひとつひとつが丁寧で、買った人の心の奥までグッと気持ちを届けてくるのが嬉しすぎる。

 「これは、もう日本軍バージョンで作るしかないな。本当はスウェーデン軍で作りたかったけど」なんて贅沢な悩みを抱えかけた瞬間「あ、このキットは2機作れるんだった」と思い出した。

 いたるところまで考え尽くされ、いちいち感動させてくれるSWEETの1/144の飛行機。作ったことがないキットを買うたびに驚くし、作ってみれば精度もバッチリ。私がプラモデル店をやるなら、絶対に一押し商品にするだろう。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。