プラモの戦車に、果たして空は映るのか。/ZVEZDA ドイツIV号中戦車 H型 

 戦車が気持ち良さそうに日光を浴びている写真というのを見たことがない。ただ、当時も今も空の青さは同じだろう。
 そんなことを思いながらZVEZDAの1/100 IV号戦車を作り始めた。このキットはパーツ点数が非常に少なく、試しに時間を計ってみたら20分ほどで完成した。割り切った一体成形のパーツが気持ちよく形になるのが特長のシリーズで、模型屋さんに行くと端の方でこぢんまりと積まれている。

 組み立てると手のひらサイズのかわいらしい戦車が出来上がって、カキンと角の立ったフォルムが美しい。
 そこに、空の青が映り込んだり、にじむような感じで青みを帯びることはないだろうか……と思いながら色を塗っていく。黄緑を下地にサンドベージュで全体を仕上げていき、ベージュの発色を少しまろやかにした。こういった作業でみるみる姿を変える様子を見られるのは1/100というスケールならではだと思う。普段やらないことを試すには、良いテンポを持ったキットだ。

 普段やらないことをやったので、ついでに初めてのドライブラシをやることにした。実験続きでウロウロしている感じがとても楽しい。
 空の映り込みを想定したので水色でドライブラシをかけていくと、みるみる戦車らしい重厚感みたいなものは消え失せた。明らかに何かが違う感じに、ワクワクした。幻想的で色彩が豊か。「もしかして、俺、戦車に光を描いてしまったか?」と調子に乗るレベル。しかも手のひらサイズだからか多少やりすぎた感じがかえってエッジを強調していて良い。

 その後、戦車が青空の下で光を浴びている写真を見つけることはできていない。
 でも、それでいいと思っている。というのも、画像を見て「ふーん」と思うより、実物を見て「おお!」となりたいから。晴れた日に、1/100に見える程度の距離から戦車を見て自分がどう思うのか。何を感じて、次の戦車の仕上がりにどう影響を及ぼすのか。それが楽しみだし、そのときもすぐに感覚を形にできるようにZVEZDAの1/100シリーズの戦車を今から買っておこうと思う。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。