ヘアスタイルだけじゃない/「ケープ」でプラモのリアルな剥がれ表現をスタイリングするべし!

▲とても模型用じゃない物体を2種の塗料でサンドイッチ!

 プラモの塗装にケープを使う……という話、模型専門誌を眺めていると比較的よく見かけます。ヘアスタイリング用のスプレーでどんなことができるのかわからない人は見ていってください。これはオレが「なんもわからん」と思いながら初挑戦した記録です。

▲ラッカーの上からケープを吹くぜ

 まず下地になる色をラッカー系塗料でまるっと吹いておきます。スプレーでもエアブラシでも筆塗りでもなんでもいいですが、とにかく「上から違う色を塗って剥がす」というのが目的なので、一緒になって剥がれてしまわないよう下地の色はラッカー系塗料であることが超大事。
 乾燥したら、おもむろにケープを吹きます。ケープの吹き加減、全然わかりませんね。全体がしっとり濡れたらOKというマイルールでやりましたが、「薄すぎても厚すぎてもうまくいかない」というマジでファジーな表現しか見かけないので、これはやってみないとわからない。人生は冒険だ。何歳になってもお手軽に冒険できるのがプラモのめちゃくちゃ楽しいところだぜ。

▲今度はその上から白!エアブラシを新調したんですよエヘヘ

 ケープが乾いたら、こんどは上から水で薄めた水性アクリル塗料を上から吹きます。筆塗りだとうまくいかないと思いますので、このテクはエアブラシ(エアブラシ持ってない人はイージーペインター)が必須になります。大事なのは、水性アクリル塗料を専用の溶剤ではなく水で割ること。わざと食いつきの弱い塗装をすることでが超大事。今回は水と塗料がだいたい1:1になるよう薄めてから、ふわ~っと2〜3回に分けて吹きました。

▲濡らしてつつくと最上層の塗装だけがメロリと剥げる!

 カーキ(ラッカー)/ケープ/白(水性アクリル)の層が完成したら、筆を水で濡らしてから表面を撫でて、爪楊枝の先端でツンツンします。するとケープの層が水で溶けて、上に乗っかっている白がズルリと剥がれ落ちます。この感覚はマジでやってみないとわからない。硬いものでつつくといきなりモッソリ剥がれるし、毛足の硬い筆でゴソゴソと擦っているとジワッと剥がれたり、とにかく予想がつかない。この再現性のない、偶発的な感じをコントロールするのがこのテクのキモだと見た!

▲筆で撫でるとさらにハゲハゲ!

 爪楊枝で作った「剥がれのきっかけ」を水を含ませた筆でメロメロと撫でると剥がれが広がります!塩梅が難しいけどこれは本当におもしろい。だってリアルに塗装が剥げてるんだもの。いろんな部位でいろんな道具(針やら硬い筆やら柔らかい筆やら……)を使い、いろんな力の具合で擦ったりつついたり撫でたりして剥がれ方のオリンピックを観戦します。めっちゃいい塩梅に擦れたようなハゲができたり、バコッと塗料が剥がれ落ちたところができたり、自分が筆で塗って再現したハゲとは全然違う事件がいろんなところで勃発します。

▲うおおおん、冬も終わりに近づきつつあります

 もとの塗装の上から白で施した冬季迷彩がベロベロに剥がれゆくところを作りたくて初挑戦した「ケープ剥がし」の術。これがもう、楽しくなりすぎて大変です。中学生のときにドライブラシやチッピングやパステル汚しといった「達人がやっているのの真似」をしたとき(そして「過ぎたるは及ばざるが如し」になったとき)と同じくらい止まりません。なんて愉快なんだ。
 そして全体を引いて見てみると、めちゃめちゃカッコいい剥がれが表現できているじゃありませんか(やりすぎたところはまた白を塗ればヨシ、という前提でお話をしています)。ケープ剥がし、ちょっと特殊なテクではありますが、たとえば模型が爆発したり危ない薬品を使ったりするわけではありませんので、まずはお手もとのプラモでやってみてください。「なんじゃこりゃ〜!」と叫びたくなるほど面白い効果が出ます。みなさんも、ぜひ。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。