「全部入りのカンペキ版」だからこそ、気楽に作ってOKな飛行機プラモ。/エデュアルド Avia B.534

 海外メーカーのプラモはあんまり精度が高くない……という先入観、ありませんか?
 時代と地域にもよりますが、少なくともこのエデュアルドというチェコのメーカーの製品は本当に猛烈な精度と美しい彫刻で、世界でもトップクラスの品質を獲得していると言って間違いありません。おかげさまで、最近は模型屋さんの飛行機コーナーでずっとエデュアルドの棚を眺めています。

 もともとエデュアルドという会社はタミヤやハセガワを始めとした世界中のメーカーのプラモをサポートするディテールアップパーツやマスキングシートを無数に発売し、モデラーの「もっとかっこよく、精密に!」という願望を叶え続けてきた会社。その知識や経験をベースに「自社製プラモの開発」という事業に乗り出したのですから、出来の悪いもんが出てくるはずがありましょうか(いや、ない)!
 シャキシャキの彫刻はもちろん、パーツの合わせもとんでもなくバチピタですし、「この細いパーツどこにつければいいの〜?」なんてあやふやなところもいっさいなし。とにかく、ニッパーと接着剤があれば確実にキレイにかっこよく組める!

 ふしぎなクリアーパーツの丸いランナーが目印。なんでこんなに窓ガラスがいっぱい入っているのかというと、同じ機体でも少しずつ違うディテールを表現したり、キャノピーが開閉している様子を表現できるように考えられているからなんだな。

 エデュアルドの自社開発プラモを探すと「ウィークエンドエディション」と「プロフィパック」のどちらかをよく見かけます。(これ以外のラインや他メーカーのキットとのコラボ商品なんかもありますが、それは追い追い紹介するかも)。
 ウィークエンドエディションというのはみんなが考えるフツウのプラモ。最低限のパーツとデカールが入っていて、「いろいろ悩まず週末にスパッと作ってね!」という内容で、安い。そしてプロフィパックというのはデカールが何種類も入っていて、塗装済みエッチングパーツや窓枠用のカット済みマスクシートも入っていてちょっとだけお値段が張ります。ちなみにこのAvia B.534では6種類ものバリエーションから細かい違いを選んで作り上げる仕様になっています。めんどくさそうでしょ。

 そう、小さくて扱いの難しいエッチングパーツを全部使おうとするとダルい。これは真理です。フツウのプラモ用接着剤で貼れないし、うっかり曲げちゃったりすると元に戻せないし、とにかくプラスチックではない異素材が介入するのがなんだか気分的にイヤ、という人も多いはず。しかし、たとえば計器盤にだけエッチングパーツを使うとかでもいいのです。デザインナイフでピシッと切って、瞬間接着剤で指示された位置に貼るだけでめちゃくちゃ塗装が上手い人より100倍うまい計器盤が手に入ってしまう。
 これが”金で買える幸せ”じゃなくてなんだろうか!という話で、こうやっていろいろなディテールアップパーツなど「いろいろ入っているてんこ盛りキット」って直感的に「上級者向け」だと思われているキライがありますが、いざ組んでみると「何も入ってないプラモのほうがよっぽどテクニックを必要とするな……」という気持ちが湧き上がります。

 自分でやろうとしたらめちゃくちゃしんどい窓のマスキングシートも最初からカット済みのものが入っているから、全部組んだあとから塗装を考えることだってできちゃいます(っていうか、飛行機模型作ったことない人からしてみれば窓枠塗るのがいちばん難しくて途方に暮れる作業だと思うので、マスキングシートが標準装備だといいですよね。コストのことはもちろんあるけどさ)。
 なによりも、この繊細なパーツが迷うところいっさいなしでパチパチピタピタ組めるということがほんとうに楽しい。週末の静かな時間をじっくりと過ごし、こんな素敵な飛行機が出現したら嬉しいじゃないですか。そして高い高いと脅しましたが、こんなに入って以下のようなお値段。エデュアルドのB.534、1/72も1/48もガチでオススメの可愛くて優雅な飛行機模型です。激オススメ!

<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>/nippper.com 編集長
からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。