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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。アメリカ戦車に勝てる日本戦車!?「タミヤ 1/35 一式砲戦車」

▲「アタックチャンス!!!」

 週末が楽しくなる模型を、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週はタミヤの戦車模型「1/35ミリタリーシリーズ」の初期の傑作である「日本陸軍一式砲戦車」と「日本陸軍歩兵セット」をひとつにした「日本陸軍 一式砲戦車 人形6体付」をお届けします。
 戦車模型ではいま、タミヤの完全新規プラモとして発売されたアメリカ軍のオープントップ車両「M18ヘルキャット」が大人気ですが、僕たち日本のオープントップ車両のプラモも傑作なのです!! 本当にこのプラモが1977年に登場していたなんて驚愕っす。

▲リベットもくっきり! 転輪もシャープでかっこいい! しかもこのセットのキットの履帯は、塗装&プラ用接着剤で接着可能なものにアップデートされています

 一式砲戦車のプラモは、先に発売された97式中戦車の車体パーツを利用し、オープントップの戦闘室や75mm砲、砲手と装填手のフィギュアなどの専用パーツをセットした内容です。車体や防楯などはシンプルですが、97式中戦車のキットから引き継がれたコダワリの脚周りや75mm砲は、とても組み応えある内容となっています。

▲こちらのプラモがベースになっています
▲一式砲戦車のパーツボリューム。 ぱっと見ただけでも転輪とか脚周りのパーツが多いですね〜
▲こちらが一緒にセットになる「日本戦車兵セット」のパーツ。鬼気迫る日本兵が爆誕します。日本刀とか特徴的なパーツがあります
▲勇ましいという言葉がぴったりのアニキたち。傑作プラモです
▲日本兵のプラモの詳細はこちらの記事をどうぞ

 この一式砲戦車はプラモ自体も素晴らしいのですが、このキットの魅力としてぜひとも読んで欲しいのが説明書のバックグラウンドストーリーです。「あらゆるアメリカ軍戦車を撃破し得た唯一の日本軍戦闘車輌」という、一文目からハートを鷲掴みにされるこの解説はタミヤMMプラモ史に残る傑作です。特にクライマックスのエピソードにある米軍輸送部隊の車輌(トラックなど)に榴弾を撃つべきところを、謝って徹甲弾で射撃してしまったところなんと12台を貫通し、13台目のトラックで弾丸が止まったなんて話は震えます。その他のドラマも面白いのでぜひ読んでください。

▲最初から最後まで最高です
▲独特なシーソー式サスペンション。日本戦車の脚周りのユニークな形状を組み立てで体感できます
▲脚周りの組み立てはパーツも多いので少々時間がかかりますが、ここを突破すればあっという間に形になります
▲75mm砲の各モールドは本当に素晴らしいです。パーツの合いも全く問題なし!

 一式砲戦車の本体ともいうべき75mm砲。細かいリベットやシャープなモールド、可動ギミックと作っていて本当に楽しい気持ちにさせてくれます。完成してみると砲の無駄のないデザインのかっこよさに心惹かれます。

▲砲は車体に搭載した後、上下左右可動の他、砲身の前後可動も楽しめます
▲戦闘室内は床も再現されています
▲一糸乱れぬコンビネーションを見せてくれるのがこのアニキたちだ

 一式砲戦車キット専用の装填手と砲手のアニキたち。力強いむっちりとした体型で、日本人だな〜と感じることができる素敵な造形。戦車に乗せるだけで情景が完成します。

▲箱絵のように勇ましい姿を楽しめます。

 美しいリベット、75mm砲の完成度は今の目で見ても素晴らしく、組み立てもとにかく楽しいです。戦後の研究結果により実力も証明されている日本のオープントップ車両を楽しみながら、週末は美味しい日本酒なんてのも良いですね。それでは〜。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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