

世界中の人が「ロシア、どんだけ強い戦闘機作ってるんだろ」って気になってると思うんですよね。同時に、ロシアの人たちだって「アメリカ、どんな強い戦闘機持ってんだろ」と思っているはず。だからこそ、こうしてプラモを使ってお互いのカタチを見比べたり、似ているところと違うところを見出したりするのはプラモのめちゃくちゃ凄いところなんですよね。だってF-22とSu-57が隣同士で展示されることなんて現実世界ではありえない話なのですから……。
このSu-57、ロシアはモスクワにあるズベズダという会社から発売された新しめのキットです。……というかこのプラモ、デカすぎるのかなんなのか、異様な値段で安売りされてるしお店でも余ってることが多いのですが、実際触ってみるとかなり興奮します。だってロシアの最新ステルス戦闘機の巨大なプラモですよ。ペレストロイカは極まってるしグラスノスチもここまで来たかという感じ。

アメリカとロシアのステルス戦闘機、パッと見は似ています。ペタッとした胴体〜主翼は一体になっていて、上下のパーツをパカーンと合わせればだいたいカタチになるのも同じ。でも、じーっと両者を見比べているとジワジワと「ロシア、やっぱロシアっぽいな〜」という空気感が伝わってくるのが楽しい。

胴体裏側はハセガワのラプターと同じように穴だらけです。真ん中の細長い穴がウェポンベイで、左右の穴がエアインテークと着陸脚を収めるところ。ほら、やっぱりラプターとは設計思想がちょっと違う。でもでも、たとえばお尻のとんがりコーンみたいなところをガードするためのワク(ランナーではない)がくっついているのとかは、ハセガワのラプターと同じだな……とか。

このエキゾチックなカタチの太くて長いミサイルがもうロシアって感じじゃないですか。調べてみるとこれはソビエト次代に開発されたKh-31という対艦/対レーダーミサイルだそうで、ステルス性もなんのその、主翼の下にぶら下げてくれという強気な指定がされています。なんなら増槽(ぶら下げ式の燃料タンク)も付いてるし、隠密性より航続距離と攻撃力だぜ!というのがアメリカとは違う考え方なんだろうな〜っていう。

エンジンノズルもF-22が上下のパドルで推力を捻じ曲げているのに対し、ロシアはお家芸の「丸いノズルがううにうに動く」という方法を堅持。飛行中のシャキッと真っ直ぐになった状態はもちろん、地上にいるときのダラッと下がった状態でも組めるように2パターンが用意されています。ありがて〜!(ノズル自体のパーツが2つずつ用意されている意味はわかりませんが……)

まずはコクピットを組んで味見。シンプル極まりないバスタブにシートをハメるところはハセガワのラプターとほとんど同じなんですが、なにが嬉しいってパイロットのケツ!シートの座面に合わせて平ら(かつ座面前端の形状に合わせて太もも裏側もえぐってある)なのが最高じゃないですか。飛行機模型のパイロットってこういう配慮がされていないものも多く、「座りが悪いな〜」なんてこともままあるのです。

操縦桿にもスロットルレバーにもビシッと手を添えて、立体感バキバキのパイロットが前を見据えてライドオン。ロシアの空を護るのはオレだぜ〜という気迫が感じられます。
それにしても、現実世界で東西の人たちがライバルの戦闘機を気にしているように、ズベズダだってハセガワのことを意識しているなと感じます。構造が似てるとプラモも似るよね、なんて話じゃなくて、実際に手にとってみると「こりゃラプターの考え方を自分たちでも取り入れてみようと努力してるな!」ということが伝わってくるのです。

こうも大きくてまだまだ謎の多い機体となると「置き場がない!」とか、「塗装どうしよう〜」なんて声も聞こえてきそうなもんですが、グレーのプラスチックのまま組んでしまってグルグルと眺めるだけでも自分のなかに残る情報は相当なもんです。ロシアという大きくて強い国が考えた最強の戦闘機がどんなもんか、プラモを通して知る。貼るスキルを持っているだけでこんな興奮が味わえるのなら、肩肘張らずに楽しんだもん勝ちと言っていいはずです。プラモがもたらす情報開示と民主化の波、ズベズダのSu-57はその最先端にあるのですから。
