プラモにバフがかかる日/オール筆塗りIII号戦車の仕上げに足す「タミヤ最強の1色」がコレだ!

 最近のゲームをやってるとよく出てくるバフ/デバフという言葉。キャラとかアイテムのステータスがUPするのがバフ、DOWNするのがデバフですが(だよね!?)、プラモ作ってる人にしてみりゃ「バフといえばタミヤが出してる淡いベージュみたいな色でしょ……」と思うんだよ。思いません!?

 ということで、タミヤアクリルのXF-57「バフ」ですよ。戦車模型を最後の最後にめちゃくちゃ盛り上げてくれるこの万能調味料。もはや味の素と言っても過言ではないくらいルックに調和をもたらし、なんだかリアリティを付加し、粗を隠すどころか「えっ、なんかめっちゃうまくない!?」という雰囲気を醸し出してくれるのだからさあ大変。まずは一本備蓄しておきましょう。もうほとんど完成している戦車の上から塗ったり吹いたり拭い取ったりするので、基本塗装に影響してしまうラッカーやエナメルじゃなくて、アクリルをチョイスすることが超大事だよ!

 バフをかけるとめちゃくちゃ効果が高いのは履帯(キャタピラ)です。いま塗っているIII号戦車L型はベルト式と呼ばれる黒い軟質素材でできたやつが入っているのね。バラバラの履板を1枚ずつちまちま張り合わせるのではなく、転輪にぐるっと巻けばハイ完成というお手軽な仕様なので戦車模型ノービスでも怖がらなくてオッケー。

 これに溶剤で薄めたバフをエアブラシで直接吹いちゃいます。エアブラシ持ってません!という人は筆で塗ってももちろん問題なし。樹脂の色が黒なので、そのままヴァーっと吹けばいきなり土にまみれた履帯が爆誕しちゃうという寸法だ。

 で、ツヤが消えるくらいまで乾燥したら(10分くらいかな)、地面と接するところだけを溶剤染み込ませた綿棒で拭くのよ。これだけでも「うわ〜!キャタピラじゃん!」と家族の喝采をもらえること間違いなし。こうやって写真を見ると「もっとクドく吹いといても良かったかな……」なんて思うので、ガビガビに土がこびりついた戦車を作りたい人はもう筆で塗りたくったほうがリアルな仕上がりをゲットできるかもしれない。

▲キングタイガーのホンモノ。じつは履帯にこびりついて白っぽく乾いた土が戦車のなかで一番明るく見える部位なんだな、という気づきがありますね。

 履帯は視点を変えてみると「タイヤ(=転輪)」が走るための鉄の道路でもあります(だからまたの名を「無限軌道」と言うんだね)。なので、ゴムタイヤがガンガン通るところは土がクリーニングされて鉄の地が出てきます。転輪になったつもりで履帯の内側をゴシゴシ拭きます。完全に乾燥する前なら擦るだけでも落ちるし、綺麗サッパリ拭き取りたいときはアクリル溶剤を綿棒に染み込ませましょう。

 ここで「いままさに走ってきてエンジンが温まってます〜」という状況を演出するために履帯の鉄っぽさを出したければ出っ張ったところをメタルな色でドライブラシしてもいいかもね。ちなみに雨降ってると泥だらけになるし、金属色がむき出しになったところが濡れるとあっという間に(数時間で)真っ赤に錆びます。このへんは実際の戦車を観察したり、近所の重機を見たりするといいです。

 履帯によって土埃が舞い上げられますので、基本塗装が終わった車体の腰から下にもバフをブワーっと吹いておきます。このときはアクリル溶剤ですっごく薄く溶いたものを様子見ながら少しずつ乗せると吉。「はい、バフかけてま〜す!」みたいな感じで色がついちゃうともう「バフ色」にしか見えませんから、下地が透けて見えるけどほんのり埃っぽい色になってきたな……くらいでストップするといいね(あ、でも車体の下面は思いっきりバフになっててもいいよ)。これによって、わりと明度がバッキリ分かれていた転輪のゴムや、色相が喧嘩しそうになっていた迷彩塗装とかも仲良く馴染んでくれます。

 ……ここだけは「筆塗りじゃないじゃん!」というツッコミが来そうなのですが、たしかに筆だとこの表現はちょっとむずかしいので、エアブラシを買う/イージーペインターを買うみたいな解決策を提示しておくことでご機嫌を伺ってまいりたいと思います。

 最後にツヤ消しスプレー(水性プレミアムトップコート/ツヤ消し)を吹いて、スポンジを使ったチッピングで傷を描いてついにおしまい!勢いで塗っていた戦車にも文字通りバフがかかったことで、筆塗りの荒々しい(どうなることかと思われたムラや凸凹を含む)タッチもなんだかもんやりと調和。ここにタミヤのIII号戦車L型が完成いたしました。さて、次はゴリゴリにエアブラシ使う模型も作りたいし、やっぱりもう一個筆塗りしたいし、うーん、プラモ作るの楽しい!またね!!

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。