プラモデルにおける「パーツの精度」ってなんだろう/ミニマムファクトリー フレイア・ヴィオン。

 「パーツの精度がいい」というと、(私もそうですが)ピタッと組み合わさることをイメージします。日本人で日本のメーカーのプラモを作ることが多いからでしょうか。逆に海外キットはその辺が曖昧だったりしますが、位置や角度を決めてあげるとこれはこれでかっこよさがあります。

 そういう意味だと、ミニマムファクトリーのフレイアは海外キット的なのかもしれません。でも、私はフレイアをはじめとしたミニマムファクトリーシリーズのダボやピンの形状が絶対に上下左右を間違えさせないようにテトリスみたいな形をしていることや、制作途中の形の面白さに「いわゆるパーツ精度の良さ」とは違う魅力を感じます。

 それぞれのパーツをくっつけると90%くらいの合わさり方。接着剤をつけてベストなアングルを探す作業は組み立てる側に委ねられています。

 良い角度を探しながら作っていく感覚は、単純に美意識を試されているような気がします。とはいうものの、そこさえ押さえればありとあらゆる角度がバシッと決まるし、組み立てミスみたいなのもない。パーツの組み立て方に悩まないですむスピード感の上に、作り手に委ねられた10%の曖昧さが積み重なることで気分の良いものが出来上がります。

 フレイアを始めとしたミニマムファクトリーの可愛い女の子たちの作り方のコツはひとつです。箱やインターネットに表示される完成品をよく見ること。顎の角度や腕の広げ方、脚の角度などを観察して「あ、このキットはここがポイントかもしれない」と見つけることです。例えばフレイアは両脚の角度が面白いし、パッと上げた腕もかわいい。そこを意識して作ると上手くいく。上手くいくどころか、他のところにも関心が行き、部分的な関心が全体へ波及してかわいい塊ができあがる。

 プラモデルにも設計した人がいて、その人が何を考えているのかが見えるときがあります。ミニマムファクトリーの美少女たちは一貫して「かわいい」を探りながら作らせるキットだと思います。戦車や飛行機のように実機がなく、自分なりのかわいいを探すことができる面白さがモチーフ選択の段階で生まれ、間違えにくさや組み立てのスピード感を重視しながらも、角度を決める作業を作り手に委ねて「作る楽しさ」を残した設計がこのシリーズの魅力。知らない組み味を、かわいいを通じて味わいたいのであれば買わない手はないです。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。