布一枚が極限への足がかり/minimum factory ミラージュ・ファリーナ・ジーナス

 ミニマムファクトリーのミラージュさんを手に入れた。
 個人的に究極完全体のプラモデルは同シリーズのミリタリーキューティーズみゆきだと思っていましたがこれはこれで甲乙付け難い。まず、身体のラインが出るパイロットスーツを着ているので、スーツの継ぎ目を基準に分割できます。なので、素肌と違って分割ラインは生理的な違和感を感じさせない。
 この着用している衣服を基準に分割するやり方って、パーツ同士のハメ合わせの精度がしっかり出るのであれば、無理がなく理にかなっていてると思います。

 それに、服としての辻褄があう分割をしているのであれば、「ここは一枚の布で縫い合わせ部分が肌に当たらないようにしたい」というような、服づくりにおける”着心地に関わる設計思想”が織り込まれている部分は、当然1つのパーツになっています。
 そんな風に理にかなった分割が連発されているミラージュですが、そもそもこのパイロットスーツというものが「肌に近い外観でありながら衣服のような分割ができる」という、プラモデル的に見ると面白いものだというのがわかります。

 それに加えて、顔は肌色、ヘルメットのバイザーはクリアパーツと、ラーメンでいうタマゴもチャーシューもしっかり乗っているあたりに作っている人のアイデアやモチーフへの向き合い方が詰まっていると思います。なんならウエストラインの部分は黒なので、海苔も乗っています。
 みゆきは、トリッキーなパーツ分割とデザインや造形で、既存のプラモデルの枠の外へ飛び出したようなプラモデルだ思っています。ミラージュはプラモデルという枠の中でどこまでレベルの高いものが作れるのか? というチャレンジをしたかのようなキットに見えます。
 どちらのキットも最高の海と、最高の山のように”違う最高”が詰まった素晴らしいものだなと私は思うのです。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。