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プラモデルを作る人のプラモデル/PLAMAX MF70 東雲うみ レビュー!

 信じられない。これだけ小さければフツーは指と指が一体になっていて、スミイレすると陰影がつき「リアルな手っぽくてイイわね……!」ってなるサイズ感だと思うんですけど、ぽいではなく「手」ですねこれは。5本の指の中にしっかり空間があり、ニッパーとプラモのランナーを細い指で掴んでいるのがわかる。パーツありのまま、それがなんと生き生きとしていることなのだろうか!

 PLAMAX ミニマムファクトリー・東雲うみのプラモデルは人体の繊細な造形と、それを見せる工夫がすごい。本人を3Dスキャンして造形されたパーツ群を組み合わせる時間は、人間のリアリティそのものを作っているかのような体験でした。2種類の魅惑的ポーズ入り(!)の当キットですが、今回は家着のコスチュームBをいってみましょう。

 ランナーの色はかなり肌の色に近く、とっても艶々。そこにプラの透け感が加わって、非常に生々しく見える脚のパーツ。ランナーのゲートから生命(いのち)が芽生えており、「なんだかプラモデルみたいな脚だ……!」なんて認識が倒錯するほどの迫力がある。

▲接着剤で組み立てる人体プラモデル。

 衣服と身体の境目にできるパーツの合わせ目が、まさに服を着ているぞという自然なスキマになります。そんな布や肉の存在感に迫ったプラスチックのパーツ群を組み立ていくと、良い意味でギョッとしますね。人間を接着しているなんて!SFじみている。なにかイケナイコトをしているような気分だなこれは。

 頭部は3パーツで分割されていて、パーツを組むとその合わせ目が全て三つ編みの分け目に“成る”瞬間がとても面白い。左右に分かれたおさげのパーツを貼り合わせた後頭部を見たとき、これはひどく個人的感覚なのだけれど、会田誠の『あぜ道』をはじめて見た時のような、見立てとフェティシズムの躍動を覚えたのでした。

 そして眼の造形がひと味違う。身体がかなり写実的なのに対して、眼は実際の眼球の形をしておらず、虹彩の部分は凹み、瞳孔の部分は凸になっています。その上、実際の瞳よりかなり大きい。塗装のし易さに加えて、リアル過ぎない「かわいさ」のバランスをとっている様子。

▲出来た。喜怒哀楽でもない、真顔がGOOD。

 速乾の流し込み接着剤で組み立てるとパーツがピッタリと接着され、合わせ目がそこそこ目立たずに仕上がります。目につく部分も勿論あるのですが、面白いことに上の写真の角度からはほとんどが見えない位置に設計されています。それなので、プラモ用デスクの片隅にちょこんと飾っていますけれど、小さな人間の気配を感じてビビります。

ハイパーアジアのプロフィール

ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。

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