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その手でわかる、レイバーとしての異様な立ち位置/PLAMAXの「 グリフォン&キュマイラ レイバーカラーVer.」

 「このプラモデルの鍵は手だな!」と言いたくなるような、折れてしまいそうなほどに繊細な手が入っているのがPLAMAX ミニマムファクトリーのグリフォン&キュマイラという二体セットのプラモデル。特にそう言いたくなるのは、黒いプラスチックで作られたグリフォンの手です。

 このロボットが登場する機動警察パトレイバーの「レイバー」がそのまま労働者の意味だとしたら、グリフォンの手は働く者の手ではない雰囲気を感じます。それに翼のようなパーツもついていて、精一杯かっこいいロボットを体現したようなデザインです。スポーツカーのようなスタイリッシュさがあります。

 一方で今にも壊されてしまいそうなキュマイラはというと、手はシンプルでありながら、掴むなどの最低限の機能は果たしそうな見た目。全体のデザインも丸っこくて、実用性がある雰囲気があります。車高の高いワゴン型の軽自動車みたいな。使いやすさや安全面に気を配った結果の形のようにも見えてきます。

 こうして手の形状をとっかかりに全体のデザインを両者ともに比べてみると、パトレイバーの世界におけるグリフォンの異様さに気がつきました。働く乗り物のようなずんぐりしたデザインのキュマイラの方がレイバーとして街中で人々の暮らしに役に立つような存在であり、それを破壊するのがグリフォンであると。そもそもの「このロボットはなんのために作られたのか」が作品世界の中でも、物語の役割として与えられた使命としても他のレイバーと違うことがデザインに現れています。

 グリフォンのプラスチックの色は、黒っていっても色々な黒があると言わんばかりの茶色がかった黒で高級感たっぷり。量産機ではないという様子をニュアンスの色で表現していて、とっても素敵だと思いました。それを引き立てる鮮烈なターコイズブルーのキュマイラはまさに引き立て役。

 キレキレのグリフォンの手がグサッとキュマイラを突き刺しそうな二体の並びはプラスチックの色の対比だけでなく、丸っこいのをトゲトゲしたやつがぶっ刺すという形のバランスが面白く「斬られ役も大事だな」と思わせるよいプラモデルでした。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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