模型自身/塗る工具、塗る塗料、みんな違ってみんないい!

▲プラモ大好き!

 プラモの塗装は楽しい! その楽しさを知ってしまったことが、僕が模型を塗る最大の理由です。プラモを組んだりランナーのパーツをじっくり眺めてプラモの刺身としての質感を思う存分楽しんだら、「俺の模型にするぜ〜」と俺の中のプラモゴリラが雄叫びをあげます。

▲手前のIII号突撃砲は筆塗り、III号戦車N型は缶スプレー、ティーガーIはエアブラシ。どれも気に入っています。完成後の雰囲気も異なりますし、塗っている時のリズムも全部異なります。それが本当に楽しいんだよね

 そしてゴリラフミテシはグルメなので「今回は筆かな? 缶スプレーかな? それともエアブラシかな?」と悩みます。どの塗装も楽しいから。その時に自分が塗りたいリズム、塗りたいイメージで塗る工具や塗料を変えると、同じジャンルの模型でも異なった雰囲気に仕上がります。どの方法が最高なんてもんはなく、どの方法にもそれぞれの良さがあるということはしっかりと言われて良いことだと思います。みんな同じじゃつまらないよね。

▲エアブラシでボケ味を出しながら淡く塗ってみたいと思ったスピット(奥)と、筆塗りで大胆に塗ってみたいと思ったスピット(手前)。使う色や塗る道具を変えることで全く異なった楽しみを味わえるのも模型の最高なところ

 手前のスピットファイアは筆塗り&水性ホビーカラー。奥のスピットファイアはタミヤアクリルのエアブラシ塗装。同じモチーフですが、道具や色を変えるだけで全く違う楽しみがあなたを待っています。あなたが今回作りたいイメージに適したものを選ぶこと。それこそが模型の自由。余計な雑音は無視しよう。

▲どちらも筆塗りのスピットファイア。「筆塗り」と一括りにしても、使った筆や筆の使い方で表情は全く異なります

 奥のスピットファイアは平筆を上から下に動かすようにして塗ってもの。手前のスピットファイア は筆に含ませた塗料を叩くようにしてポンポン塗りして行ったもの。迷彩の境界がピシッとしている奥のスピットファイアに対して、手前のスピットはボケ味のあるやれた迷彩になっています。砂漠の戦いで迷彩が少しやれている雰囲気を出したくてポンポン塗りをし、迷彩をぼかしました。こうやって同じ筆でも使い方次第でどんどん楽しい表現ができます。

▲ガンダムというキャラクターは全ての塗装を受け入れてくれるすごいモチーフ。だからこそ国内最大の模型シリーズになっているのでしょう。フラットに塗ったガンダム。筆塗りで仕上げた武者ガンダム。ウェザリングしたガンキャノン。ガンプラは楽しいよね

 美しく塗っても汚してもカッコよくなるガンプラ。さまざまな塗装方法を受け入れてくれる楽しいコンテンツです。現在のガンプラは筆塗りでも、缶スプレーでも、エアブラシ塗装でも塗装がしやすいようにパーツも色毎に分かれたりしています。後はあなたが塗りたいように塗るだけ。

▲ラッカー、エナメル、水性。それぞれの特性を「使った上で」判断できるようになりたいですよね

 塗料は生活スタイルにズバッと刺さる要素。これまで日本における模型塗料の代表で1強とも言えたラッカー塗料。性能という他に「多くの人がずっと使ってきた」という習慣の染みつきもこの塗料を「使いやすい」と認識させています。僕もずっとその思いでしたが、子供ができ家庭を持ったことで水性塗料にシフト。これまでのように塗れないだろうな〜なんて思っていたら、普通にイメージ通りに塗ることができて匂いも少ない! しっかりと性能がアップしていたのでした。そういったことを使って紹介できるメディアが「nippper」であると認知してもらえるようにやっていこうと思います。タミヤ アクリル、水性ホビーカラー、ファレホなどなど……使える塗料が増えればラッカーやエナメルと併用してさらに模型が快適に楽しめるはずです。それぞれの適材適所を見極めて、監督になった気分で僕たちが各塗料を投入していけばさらに楽しくなると思います。

 エアブラシで塗ると本格的! 筆塗りはお手軽だから。缶スプレーは一気に良い感じに塗れる。ずっと僕の頭の中にあったそれぞれの枕詞。でも異なる方法と塗料で塗ったスピットファイア を見て思ったのでした。言葉に踊らされていたって。筆塗りだって本格的に塗装を楽しめるし、エアブラシだってさ〜っと手軽に塗装を楽しめる。いつの間にかそれぞれの道具や塗料の概念に縛られていたことに気づかされました。自分がどう楽しみたいかで道具と塗料を選択する楽しみ。このスピットファイア は僕に大事なことを教えてくれまさにターニングポイント。僕の中に大きく刻まれた模型自身となりました。

<a href="/author/fumiteshi/">フミテシ</a>
フミテシ

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。