リサイクルショップで見つけた「フェイクニュースなプラモデル」の話

 1980年代半ば、レーダーで捉えられないステルス機をアメリカ軍が極秘に開発している、という噂がありました。というのも、当時のアメリカ軍の飛行機は連番で命名されていました。ところが、F/A-18とF-20の間、F-19と命名された飛行機はありませんでした。だから「F-19はステルス機だ」という憶測が囁かれていたのです。

 そんな中、このテスター(イタレリ)製のプラモデルが発売され、世界中で大ヒットとなります。そして、「F-19は実在する」と多くの人々が信じてしまったのです。

 嘘の情報を多くの人が本当だと思い込んでしまう。……今ならば「フェイクニュース」とも言えるでしょうか。プラモデルが発信源となったフェイクニュースというのも、あまり聞いたことがありません。もちろん、プラモデルメーカーがフェイクニュースを仕掛けたかったわけではないでしょう。

 ランナーは2枚で、機体のパーツの上下を合わせるだけで形が見えてきそうです。ステルス機のひらき、ふたたび。ひょうたん型で、翼とおぼしき部分も小さいですが、こんなんで飛べるのでしょうか?

 今回、私が気に入ったのはパイロット。ディテールがものすごく細かく造形されていて、古いキットとは思えません。こんなにリアルなパイロットが付属するんじゃ、本物の存在を信じても仕方ないかな、と思えます。

  1時間ほどの作業で組みあがりました。さすがに5パーツ載せれば形が見える、とはいきませんでしたが、組みやすいキットでした。なんだかSF映画に出てきそうな面白い形をしていますね。

 飛行機は飛行姿勢で飾るのが好きなので、底面に3㎜穴をあけて、スタンドに接続します。そして、先に組んでいた別の飛行機と並べると……。

 虚構と現実のステルス機2機のランデブー飛行!現実では有り得ない、プラモデルだからこそ見ることができる光景です。この光景が見たかった。だからタミヤのF-117も買ってきて組んでいたのでした。

▲やたらと説得力のあるコクピット。嘘もホントも、プラモなら立体になる。

 「プラモデルは実物の精巧な模型である」という認識を当時多くの人が持っていたからこそ、このフェイクニュースは成立したのでしょう。このキットの発売から約2年後の1988年11月、アメリカ軍は「F-117 ナイトホーク」をステルス機として正式に発表しました。これでF-19という飛行機はが存在しないことが確定し、騒動は下火になりました。このF-19にまつわる騒動は面白い話がいろいろ読めますから、検索してください。

トミすけ
トミすけ

アラフィフ紳士。本業は会社員の週末モデラー。キャラクターモデルを中心に、気に入ったプラモデルを買ってきてはマイペースで作っています。早く作れるようになりたくて、日々精進中。