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イタリア軽空母カヴールを見に行って、タミヤの最新飛行機プラモデルに燃える!/1:72 F-35B ライトニングII レビュー。

 イタリアからはるばる横須賀まで空母がやってきたというので息子をベビーカーに乗っけて見に行きました。京急電車に乗って三笠商店街でハッピーセット食べてショッピングモールで休憩してからいざヴェルニー公園へ。軽空母カヴールの威容がみるみる大きくなってきて「すごいな〜!」と声をかけたら息子は寝ていましたが……。で、写真左側の甲板後部にちらっと見えているのがイタリア空軍と海軍で運用されているF-35Bです。

 タミヤの最新飛行機模型、1/72ウォーバードシリーズのF-35Bです。ハコの横に入っている説明書きにも「イタリア」の文字があります。「見る、作る、楽しい!」の模型三原則をここで一気に叶えていきたい。ということで昨年発売された1/48のF-35Bを踏まえてタミヤがより小さなスケールの同じモチーフにどう挑んだのかを味わってまいります。……っていうかタミヤってイタレリ製の1/72 F-35Bをウォーバードシリーズ No.91として販売していたのに、No.93で自社開発しちゃうのすごくないですか!? アレだって相当「イイ出来」でしたよ?

 大きいプラモデルを小さいスケールで作り直すのは簡単そうに思えますが、そんなことはありません。プラスチックの厚みは一定以上に薄くできないし、そもそも小さすぎるパーツは組み立てが難しい。ある程度パーツはひとまとまりにして、さらに小さなスペースにギュッと実機の特徴を封じ込めるためのいろいろな工夫が必要になります。

 コクピットが収まるバスタブと脚収納庫、そして短距離離陸/垂直着陸(STOVL)に必要な空気の通り道や機首下面EOTS(電子光学ターゲティングシステム)が一体になったパーツはそれだけで情報量のカタマリ!この時点で「ああ、イタレリ製のとは全然違うパーツ分割だ!」と感動するわけです。同じ戦闘機が違う会社からプラモデルとして発売されると全く違う製品になるの、おもしろいよねぇ。

 空軍型のF-35Aとはバリエーションの関係にありますが、大部分が新規金型でパーツ化されているB型。開口部がたくさんある機体下面のグラマラスな曲線と、表面に走るギザギザしたパネルラインはいかにもステルス機らしい魅力に溢れています。インテークのフチもシャープだし、翼端灯はクリアーの別パーツになってるし……パーツを見ているだけでも楽しいぞ!

 機首周り〜エアインテーク〜エンジンのフロントファンまでを組み立てた状態はなんだかハンブラビの上半身みたいですね(ゼータ脳)。左右から後方に向けてY字にまとまるインテークダクトの間、四角い穴の奥にはリフトファンも見えていて、いよいよF-35Bを組んでいるという雰囲気が高まってまいります。機体裏面の工作が全部終わるまで破損しないように前脚を格納状態でキープしておくおもてなしギミックは同社製F-35モデルに共通する特徴ですよ!

 ウェポンベイ(ミサイルを収納する部屋)や脚収納庫を機体下面のパーツにセットして、先ほどのハンブラビ状のユニットを合体するとステルス戦闘機の中でそれぞれの機能がどんなふうにスペースの取り合いをしているのかがわかります。決して「完成後に見えなくなる内部構造」を組んでいるわけではないのにこのミチミチ具合……というのは現代の戦闘機の設計の複雑さを指先で感じ取れる模型ならではの幸福!

 もちろんカッコいいパイロットフィギュアも付属しており、最後の工程でシートと一緒にコクピットにライド・オンします。古めかしい計器盤とは全く異なる横長のでっかい液晶画面が現代的だし、なによりこのみっちりしたコクピットの細かいパーツたちも大きなノリシロでスパッピタッと組み立てられるのがイイのです。

 1/72のウォーバードシリーズといえばお手頃価格でコレクションする飛行機模型として親しまれてきましたが、いまでは海外メーカーの高解像度な模型に負けじとリッチなパーツ数と豊富な印刷物で充実した模型体験を提供する……という風向きに変わってきた印象です。ほぼ原寸大のカラー塗装図やマーキング指示書や実機解説書まで入ったゴージャスなタミヤの最新作を、ぜひみなさんも楽しんでください。もっとこまかい感動ポイントは……また書くぜ。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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