

プラモデルの仕上げとして「ウェザリング(=汚し塗装)」っちゅうのがありますが、戦車にサビや泥を乗せるといきなりド迫力になるように、戦闘機だって油やススでガビガビにすると模型としての説得力がグッと増します。しかし航空自衛隊とかアメリカ空軍の飛行機を実際に観てみると塗装のヤレはあっても「きったね〜」という汚れはない。当たり前だ。ちゃんと整備しないと危ないし、パイロットだっていい気はしないもんね。そこでアメリカ海兵隊ですよ。
戦が起きたら陸軍の戦車より空軍の戦闘機よりもまず最初に敵地へと殴り込むのが海兵隊。彼らが携えていたライフルはやがて上陸用舟艇やヘリや戦闘機となり、制空権も地上の補給網もないところでエンヤコラと戦う姿はある種の「誇り高き汚れ仕事」として世界に知られています。

飛行機模型専門誌『スケールアヴィエーション』の最新号はそんなアメリカ海兵隊の航空機たちをクローズアップ。実際に海兵隊のパイロットとして活躍したアニキに「なんで海兵隊の飛行機はこんなにきったねーの?」「きったねーけど、ちゃんと飛ぶの?」みたいなことを質問して超納得の答えを叩きつけてくれるところから特集は始まります。

だいたいイマドキのアメリカが戦地で使ってる航空機ってのはだいたいグレーですからね。空に溶け込むジミなグレーの機体に立体感と生きてる感を足したいならやっぱ汚しですよ。上の写真観たら海水混じりの風が機体を痛めつけ、サビとススと油でギットギトになった様子がよくわかります。これを模型で演出するにはどうすればいいのか……というのは作例とその制作過程がよーく教えてくれます。すっげーんだから。

強襲揚陸艦からドカドカ発進するVTOLやSTOVL機はプラモデルの世界でも大いに人気のあるジャンルです。エンジンノズルがグリグリ動くしバリバリにウェザリングしても嘘じゃない。みんな大好きハリアーIIプラスや最新鋭のF-35ファミリー、そしてF/A-18Cホーネットといった作例を見ると「うお、オレも安心して汚していいんだな」という安心感とともに、やってやろうじゃねーの!という気持ちがムクムクと湧いてきます。

ステルス機だって前線でバリバリ使っていれば茶色い汚れが浮いてくるし、ヘリコプターはベコベコのヨレヨレになるし、それから最新の超ディテールが楽しいマジックファクトリーのスカイホークなんかの作例も収録されております。あれ、よく考えたら最近の海外プラモデルメーカーがこぞってリリースしているヤル気溢れる飛行機模型って海兵隊にフォーカスしたものが多いな……ということに気付き、そして自分のなかの言語化されていなかったニーズに気づくのです。「オレたちが作りたかったのは海兵隊の飛行機だったのか!」と。
キレイに作るのもいいけど、堂々と汚して作るのもまた楽しいのよ……というスケールアヴィエーション最新号、みなさんもぜひ読んで、模型店の棚をじっくり眺めましょう。そして再発見する「米海兵隊」という文字の多さ!馴染みの飛行機模型をまた輝かせてくれるのは、間違いなくアメリカ海兵隊なのです!