ワークブーツのようなタミヤⅡ号戦車のタフネスさとスクラムだ!

「クリスチさ、俺、仕事辞めるわ」

「え、マジすか。次、どこ行くんすか」

「REDWING JAPANに行く」

 いつまでも男の心を掴み続けるアメリカのワークブーツメーカー、レッドウイングへ先輩が転職したのはもう何年も前。REDWINGマニアの先輩は今もお店で活躍中。その後、アメリカに見学に行ったという先輩に製造工程の動画を見せてもらったときには驚きの生産スピードに開いた口が塞がらなかった。フィニッシャーと呼ばれる機械にソールの側面を当ててグルリと一周。そのままボンっと仕上がった靴がカゴに入れられる。その繰り返し。

 この早さは尋常じゃなく、先輩と働いてた当時「いいか、REDWINGをオールソールに出すときは“コバの仕上がりは粗めで”って言うんだぞ」と言われたことを思い出す。なるほどこれは普通の靴のように綺麗に仕上げられると雰囲気が変わるというのもわからなくもない。奥深きワークブーツの世界。

 タミヤのII号戦車の兵士たちにも似たような雰囲気を感じる。というか、発売されてから長い年月を変わらぬ姿で過ごしているのでとてもオーセンティックだ。戦車としての形状を満たしながらも、50年以上あるミリタリーミニチュアの歴史の中では古典的な存在だが、独特の雰囲気の良さがある。プラモデルは昔は木型から作られていたと言うが、その頃の「ゴリッとした塊としての強さが残る感じ」に今も触れられるのはプラモデルという世界の楽しみだと思う。

 令和の最新キットはいつだって繊細でシャープ。かたやII号戦車はタフでクラシックな存在感。

 兵士たちは筋骨隆々で足や腕の筋肉ががっしり。首だってめちゃくちゃ太く、ラガーマン並み。3Dスキャンの兵士たちとスクラムを組んだら勝つのはこっち。パワフルな男たちがぶつかり合う戦場を濃縮したようなII号戦車は何十年も前にタミヤが描いた情景模型の原風景をいつでも誰にでも見せてくれる。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。