プラモデルを何色に塗るか……。プラモデルの制作過程で、私がいちばん悩むのがこの点。でも、カラースキームを決めること自体が私の一番好きな時間なのかもしれません。

まず、「自分の決めた好きな色」で塗るのか「設定と同じ色」で塗るのか決めることになります。悩ましい問題です……しかし私は高校生の一時期、ありったけのバイト代をGFF(カトキハジメ氏監修のガンダム完成品フィギュア)と美少女フィギュア(おねティ)につぎ込んでいた程度には健全なカトキファンでありますから「Ver.kaを作るにはカトキ氏の決めた色で塗るべし!」という方針が決まるまでに0.5秒もかかりませんでした。ありがとうみずほ先生。しかし、そこに待ち構えていたのが「カトキ氏の決めた設定色っていったいどれなの?」問題です。人生は選択の連続なのです。

案その1:成形色を活かす
Ver.kaはカトキ氏全面監修なので、最終的に氏がGOを出したと考えれば、成形色もVer.kaです。しかし、説明書の画などとは結構違います。元のパーツの色はかなりビビッド。黄色なんかはオレンジ寄りです。素組みのときに見栄えするからなのかもしれません。もともとカトキ氏はV2ガンダムやバーチャロンのデザインなどをはじめとした、キャッチーでヒロイックで(良い意味で)オモチャ的なロボットのデザインと配色においては、かなり意識的な方ですからね。うーん……いったん保留。
案その2:説明書のカラーチャート通りに混色して塗装する
説明書には「どの色を何%混ぜる」みたいなカラーチャートが付いています。パッケージの塗装サンプルもこれで塗装しているようですが、けっこう大変じゃないですか?これも保留にしましょう。
案その3:カトキ氏に聞きに行く
カトキハジメ氏、どうやらツイッターはやってなさそうなのでネット上では聞けそうにありません。フリーで活動されているのでしょうか、所属事務所などもわかりませんでした。ぐぬぬ、これはバンダイ本社前で貼り込みをするしか……これではただのサイコパスなので、いったん保留。

案その4:パッケージイラストを参考に塗装する
パープル基調のシャドウを全体的に落とした、カトキ氏書き下ろしのCGイラスト。やっぱりこれですね!これこそがVer.kaのイメージなんですよ私の中では!もしもこんな色調の立体が手に入れば最高ですな。これを参考に塗装することに決定しました!やりますよ私は!
……え?どうやって?こんな繊細なパッケージの雰囲気を出すには……うーん、わからん!とりあえず思いついた方法を適当に試していくことにします。考えるな、やれ。Don’t think. DO!!(マジで?)
思い付き:クラッシー・アンド・ドレッシーで塗装してみる
そうだ、以前nippperでも取り上げられた水性ホビーカラーの新色。このパステルカラーがVer.kaとよくマッチしそうじゃないですか?記事中にもミモザという色について『これは調色では非常に難しいです。メカデザイナー・カトキハジメ氏がプロデュースするガンプラ、「Ver.Ka」ブランドとの親和性が高いと思います』と書いてあります。
いきなり本番では怖いので、手頃な価格のHGAC 1/144 ウイングガンダムで練習することにしました。ちなみに本記事冒頭のウイングガンダムVer.kaと設定上は完全に同一機体です。本当です。

エアブラシを使って、nippperで学んだランナー塗装をしていきます。塗料の色が薄いので「サフ(下地塗料)を吹かずに塗装すれば下地の色が透けて、ちょうど良い色になるんじゃないか?」という淡い期待を抱いております。とりあえずグレー以外の装甲4色に、それぞれ左からラベンダー、ミモザ、ブルースター、サクラを塗装していきます。


白い……!思ったより白い!!トールギスといい勝負じゃん。ちょっとエレガントすぎませんかね。Ver.kaとマッチするとの触れ込みは白いパーツだけだったんか!!(塗ってるときに気づけよ!)


(そして完全に余談ですが上の写真、これが真の「カトキ立ち」です。膝はスッとまっすぐにして足首でバランスをとり、肘と手首はクッっと内側に入れて力を入れた感じにする。胸は張って、カメラ目線or水平を見つめる。決して腰を前に突き出したり、すごい角度で下を見つめるようなポーズでカトキ氏がイラストを描くことはありません。ここ、テストに出るのでよく覚えておくように。最優先事項よ!)
やってみなきゃわからないことってありますよね。失敗は成功のマザー2です。これはいい経験だったと思って次のプランに行きましょう。いくら失敗しても、結果を出さなくてもOKなのが趣味の良いところですね。そしてなんと、この話は次回に続きます。Ver.kaの本質について、重大な謎が解き明かされる……かも?
次回「俺がカトキで、カトキが俺で!?」見てください!