シガレットキット/SWEET 1/144の世界。

 一服するように模型を作りたい時がある。寝る前、ほんの数十分。なんと言うか、形が欲しいときだ。何かを作りたいという衝動。あるいは週末まで待てない自分が顔を出しているのか。

 そんなときに家にあってよかったなと思うキットがある。SWEETの1/144の飛行機。今日はタミヤの傑作機を買うか悩んでいるときに買ったワイルドキャットで、パリッとしたプラの質感と味わいのある成型色。今となっては繊細な同スケールの飛行機模型は数あれど、SWEETのように「このスケールでどう成立させるのか」という判断をしているキットはそうそう無いと思う。

 作るのは簡単。コックピットが省略されていたりするので本当にサクサク進む。板チョコをパリパリ食べる感覚?いや、シガレットと言ってしまいたいくらいだからタバコを吸うように一気に吸い込んだ煙をフーッと吐くような感じ。つまり、出来上がるまではそれの連続。各工程はいたってシンプルに進み、そのまま完成まで走りきる。切って貼って組み合わせる、そのリズムが気持ちよく、最後に火を消すようにプロペラの軸を刺す。

 次の日、目が覚めるとテーブルに置いてあるそれを見る。ああ、昨日作ったんだな。これ。改めて手にとってプラの薄さが生み出す精密さに驚くのと同時に、あっという間にできたことを思い出す。デカールはまだ貼っていないが、あのカルトグラフのほどよい厚みとしなやかさのあるデカールを翼やボディに滑らせる楽しみが残っていることを嬉しく思う。

 今日は晴れていたので外で写真を撮ることにした。

 朝起きてこんな精密なミニチュアを手に取ると、「ギリギリまで寝ていたい」という気持ちよりも、朝日のもとでこの気持ちを写真に収めたいという思いが勝ったから。

 SWEETはその精密さには焦点が当たるが、出来上がるまでのテンポの良さや組み立て精度の異様な高さに驚かされるキットだ。多くの模型が細かなパーツ分割からくる精密さを売りにする中で、最低限のパーツ点数で飛行機を作り上げたと言う気持ちを持たせてくれ、それでいて仕上がりもかなりよいので本当に頭が下がる。

 この出来上がりのスピード感、夜中に一本、ミッドナイトモデリングとしてオススメ。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。