
週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は「フジミの「1/72 日本海軍 夜間戦闘機 月光11型 後期型」をご紹介します。
箱を開けたら、深い緑色のパーツ! 塗装図を広げてみたら、そこに描かれた飛行機もほぼ緑色。「これ、組んでデカールを貼るだけでもかっこよくなるぞ!」。そんな嬉しい予感とともに楽しめます。

フジミは今、過去の名作飛行機キットの金型をメンテナンスしながら、再び僕たちの手元に届けてくれています。この月光もそのひとつ。製品・企画のXアカウントでは、金型の整備や飛行機キットのリニューアルにまつわる話も発信されています。昔生まれたプラモデルを、今も新品で買って作れる。その裏側には、金型に手をかけ、製品として送り出してくれる人たちがいるんですね。
月光は、長距離戦闘機として開発され、偵察機を経て夜間戦闘機になった飛行機。斜め上を向いた機関砲で、敵爆撃機の下から攻撃するのが特徴です。役割を変えながら、夜の空で持ち味を発揮することになりました。

そんな夜の飛行機が、箱の中からすでにいい色をして登場します。翼も胴体も、深いグリーン。パーツの状態でも、完成した姿が頭に浮かびます。飛行機模型は全部塗らないと……なんて身構えずに、この色をそのまま楽しんでみたくなりますね。

カラーの塗装図を見ると、機体の上も下も緑色です。もちろんエンジンのカバーやプロペラなどには別の色が指定されていますが、飛行機全体の雰囲気を決める色は、もうパーツにある。まずは組んで、付属のデカールで日の丸や機体番号を加えるだけでも、ぐっと月光らしくなりそうです。色を足したくなったら、気になるところから塗っていけばいいですね。

さらに塗装図には、操縦席を覆う透明パーツ「キャノピー」のマスキング型紙も掲載されています。窓を透明のまま残して、窓枠だけを塗りたいときに使うもの。この形に合わせて手持ちのマスキングテープを切れば、窓を覆うマスクが作れます。塗ってみようと思ったときに、こういう手がかりが用意されているのは嬉しい!

翼に刻まれたパネルの境界線もくっきり。緑一色のパーツに光が当たると、その線が浮かび上がります。大きな翼の中に細かな表情があるので、塗らずに組んでも単調に見えません。飛行機の形とモールドを、プラスチックそのものの色で眺める楽しさがあります。

組み立てはコクピットから。胴体の中に収めるパーツは少なく、床や座席、計器盤などを組んでいくと、すっきりとまとまります。中身を組む工程が延々と続かず、飛行機の形が見えてくるところまで進められるのがいいですね。

月光ならではの装備である「斜め銃」も、細い銃身から機関部までシャープな造形。飛行機の銃というと機首や翼から前を向いているイメージがありますが、こちらは背中から斜め上へ。実機の役割を知ってから見ると、この小さなパーツが一気に面白くなります。


そして、組んでいて面白いのが背中! 左右の胴体を貼り合わせたところに、背中を丸ごと覆う大きなパーツを取り付ける構成になっています。これによって、背中の中央に左右の貼り合わせによる線が出ません。斜め銃を載せた長い背中が、ひとつのパーツでスッとつながる。こういう構成に出会うと、「なるほどね〜〜」と手元を眺めたくなります。


組み立てでひとつ気をつけたいのが、垂直尾翼の後ろにある丸い「湯溜まり」の切り取りです。製品の一部ではないので取り除くのですが、つながっている尾翼側の肉厚が薄い。ここを早い段階で切ろうとして、尾翼まで傷めてしまうのは避けたいところです。そこで、ここは左右の胴体を貼り合わせてからカットするのがおすすめ。接着が十分に固まってから作業すれば、片側だけの状態よりも支えができて、破損のリスクを減らせます。パーツを切り出すときに全部きれいにしてしまいたくなりますが、この丸い部分だけは少し待ってもらいましょう。

大きな翼とふたつのエンジンが付き、透明なキャノピーが載ると、緑のパーツが立派な双発機になりました。長い胴体と、そこから斜めに伸びる銃身。まだデカールも貼っていないのに、眺めていたくなるかっこよさがあります。

名作と呼ばれるプラモデルも、実際に作ってみれば「この色いいな」「こんな分け方になっているんだ!」という、自分にとって初めての楽しさが待っています。金型を手入れして届けてくれる人がいて、今週末、初めてこの月光を組む人がいる。そうやって名作の楽しさは続いていくんですね。まずはこの緑色を気に入った、で十分。フジミの月光を、あなたの机にも迎えてみてください。それでは!