最新記事やプラモデル情報を毎日お届け!
follow on Xをフォロー!

【レビュー】ふたり乗り、アンテナつけて夜を往く/ハセガワ Me262B-1a/U1 “ナハトイェーガー”

 一人乗りの飛行機から派生した複座型が大好物の私です。もともとひとりで飛ぶために設計された機体に、人間というデカい荷物をもうひとつ押し込む。そのせいでキャノピーが後ろへ伸び、見慣れた飛行機のシルエットがイビツになる。Me262B-1a(練習機型)もまさにそれなんですが、そこへ「夜間戦闘」という機能を付与しちゃったのがこの飛行機です。機首から空力的にはどう考えても邪魔そうなレーダーアンテナがニョキニョキ生え、腹は下から見た時に夜空に溶け込むよう黒く塗られている。詳しいことを知らなくても、ひと目で「これはフツウじゃありませんね」と分かります。

 ハセガワの1/72 Me262も、もともとのパーツを見ると複座型への展開をちゃんと意識して作られているのが分かります。基本になるMe262へ後席まわりや二人目のパイロット、長いキャノピーを足して複座型になる。実機が「もうひとり乗せる」ことで姿を変えたように、プラモデルのほうも追加パーツを重ねることで原型のMe262から少しずつ遠ざかっていくのがおもしろいところです。

 問題は、機首に装備されるレーダーアンテナです。幹になる部分はプラパーツですが、そこから伸びる細い枝は付属のφ0.4mm金属線を自分で切って作ります。ウソだろ! 長さ11mmと12mmのを4本ずつ切り分け、それを幹となるプラパーツに瞬間接着剤で貼れと説明書に書いてあるぞ……。

 「幹」の裏側には、たしかに金属線を置くためのくぼみらしきものが彫ってあるんですが、肉眼ではほぼ見えません。そこに左右の長さと角度を揃え、瞬間接着剤で固定するというのはだいぶハードコアです。レーダー付きだからこのキットを買ったのに、そのレーダーこそが最大の工作ポイントとして待ち構えている! 頑張るしかないけども!

 とはいえ、レーダーを取り付ける前までとりあえず飛行機本体を組んでみると、ものすごく気持ちいい。エンジンと主翼の接合部が少々タイトだったくらいで、胴体も翼もよく合います。パーツ表面のディテールもシャープで、Me262の独特なスタイルがたっぷり味わえます。この基本形のカッコよさはかなり強いぜ。

 もちろん、アンテナが面倒なら付けないという手だってあります。そうすれば/U1ではなく普通のMe262B-1aとして楽しめるし、長く伸びたキャノピーだけでも一人乗りとは十分に違う。けれど、せっかくなら最後に金属線を切って、瞬間接着剤と格闘して、機首からあの妙なアンテナを生やしてやりたい。そこまで行けば、複座で、夜戦で、腹が黒くて、鼻先には明らかに邪魔そうなものが突き出したMe262が完成します。見た瞬間に普通じゃないと分かる飛行機を作るんだから、その最後くらいちょっと普通じゃなくてもいいでしょう。

ノーブランド品
¥200 (2026/09/22 18:40時点 | Amazon調べ)
からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

関連記事