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プラモの中にはあなただけの「手を動かしてみたくなるパーツの誘惑」が入っている話。

 プラモデルのパーツには「ここはもっとカッコ良くしてみたいぞ!!」って誘惑に駆られるパーツが必ずといって良いほどあります。「俺だったらこうしてみる」という心の声は、プラモを思いっきり楽しんでいる証です。こうしなきゃいけないという不思議な概念に縛られていたら絶対に聞こえない声ってもんだぜ!! やっていくぞ!!

 エアフィックスの1/72スケールで発売されている「メッサーシュミット Me262」シリーズはとっても作りやすくて傑作です。2017年に完全新規キットして発売され、以降バリエーション展開が続いています。その中でも超かっこいいバリエーションが複座&夜間戦闘機仕様に改修されている「Me 262B-1a/U1」です。このキット、見つけたらぜひゲットしてください(僕は昨年の秋のホビーショーのビーバーコーポレーションブースでゲットしました)。第二次世界大戦末期においてドイツ軍が世界で初めて実戦配備したジェット戦闘機であり、シルエットに迫力が出る複座であり、さらに機首にアンテナまでついちゃってます。全部盛りなんです。そしてそのアンテナ、鹿の角を意味する「ヒルシュゲヴァイ」という名がついたアンテナのパーツが、俺のやる気スイッチを押してきました。

 箱に描かれたアンテナのイラストがまぁ〜細い。そしてかっこいいのよ。ここだけでもいじってみればさらに俺のMe262はカッコ良くなるに違いないと思い、真鍮線を取り出しました。プラスチックの成型では難しい細さも、金属線なら大丈夫。アンテナのパーツを活かしながら、ディテールアップしてみることにしました。

 まずは真鍮線に置き換えるアンテナのおおよその長さを測ります。こういう時に製図用のスプリングコンパスがあると超便利。コンパスの幅をアンテナの幅に広げるだけで、長さがわかります。大体でも完成したらわからないので、細かな差は気にしないでいきましょう。そのマインドも成功する近道だったりしますしね。

 コンパスを開いた幅で真鍮線をカット。これでだけでアンテナパーツが完成なのです。0.3mmの真鍮線のような細い線なら、デザインナイフで押し切れますよ。

 前のアンテナ分として、真鍮線4本を切り出しました。大体同じくらいの長さになってますね。

 次に真鍮線を取り付けるために、使用しないプラのアンテナをカットします。この時、根本からズバンとアンテナを切らずに、根元に少しだけ残しておきます。この残った根元が、真鍮線を通す穴を開ける箇所の印になるんです。

 デザインナイフの先で、軽くアタリをつけておくと、ドリルの刃が入れやすいですよ〜〜。

 力を入れずに慎重に穴を開けていきます。これで真鍮線を通す穴が完成しました!

 カットした真鍮線を穴に通して、ウェーブの瞬間接着剤の高強度を爪楊枝でちょんと塗ってあげます。位置決めが完了したら、瞬間接着剤の硬化スプレーを吹いて完成です!

 アンテナがカッコ良くなりました!! 細い金属線になったので、パーツも折れにくくなって強度もアップ。夜間戦闘機仕様のアイコンでもあるので、ここがかっこいいとさらに引き締まります。アンテナの後ろ側もこれからやるぜ〜〜。

 この箇所に俺のこだわりを込めたいって思いで手を動かすのはプラモデルの醍醐味です。そしてその箇所はあなただけの特別な場所。完成後、絶対に自然とそこばかりみてニヤニヤしますよ! そしてそれが本当に幸せで楽しい瞬間なんです。あなたが手を動かしてみたいと、パーツに誘われたら是非チャレンジしてください。その誘惑はプラモをさらに楽しくするものですから。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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