
「畑があるということは、そこに農業を営む文化があるということだね。」
ミニチュアゲームを楽しむ仲間に以前かけられたその言葉に、深く気づかされるものがあった。ファンタジーのような架空の世界であっても、そこには生活のリアルが存在し、その細部の積み重ねこそが世界観を形作っている。
これまで、ミニアートのミルクボトル & 木枠箱のセットに対しては、良いものだと思うが使い所に困るという見方をしていた。戦車が主役となる1/35スケールモデルの世界において、それはあくまで幕間の休息や和みを演出する脇役に過ぎないと思っていた部分が少なからずあった。お膳立てが必要で、それでいて端にある物。だけどかわいくて和むのでもどかしい。

しかし、すべてが幻想であるミニチュアゲームの戦場において、背景を自分たちで構築するための道具として捉え直すと、別の存在意義が表れ始めた。「この世界にはミルクを飲む文化が存在する」という事実と、ミルク瓶や木箱そのもののかわいらしさが、急に輝き出したのだ。盤面に置くだけで文明のくさびが打ち込まれたかのように、世界観を形作る道具として機能し始めるのは想像に難くない。
プラスチックの色にもミニアートのセンスが光っている。木箱は実際の木材に近い茶色、瓶は透明パーツで構成されている。すべてをきれいに塗るのは大変だと思っていたが、パッケージに描かれた木箱は使い込まれて色が剥げたものだった。これを完成イメージとし、塗り残しが出る程度に軽くスプレーをかけると良い質感になる。透明なミルク瓶も、白いスプレーをさっと吹き付けるだけで、中にミルクが満たされているように見せることができる。

説明書には箱を組み立ててから瓶を詰めるよう指示があるが、順序を変えると完成が早くなる。底面パーツに瓶をセットしてから側面を取り付けた方が、はるかに作業がしやすい。

ゲームで使うためにプラ板に芝生を再現したベースの上に乗せれば出来上がり。この手の小物のプラモデルは案外売り場の隅に残っているので見つけたらサッと買っておくといいなと改めて思った。