
ミニアートの1/35 木製箱と木枠セットの箱を開けると思わぬパーツが入っています。筋交いです。箱の強度を増すために斜めに渡すあの部材が、なんと選択式の別パーツとして入っているというわけです。プラモデルになった木箱は面を組み合わせて終わりだろうと思っていたから、まさか筋交いを独立させてくるとは思わずに驚いてしまいました。

立方体の箱パーツは、油断してランナーから一気に切り飛ばすと、どれがどの面なのか見分けがつかなくなるほどそっくり。切った後に一瞬焦るものの、説明書をよく見れば内側のツメや凹みの形状がしっかり異なっていて、正解の組み合わせが分かるようになっています。しかもこれがピッタリとはまるから気持ちがいい。それにしても、この「筋交いをつけるかどうかを選ぶ」という工程は、想像以上に組み立てる側の演出心をくすぐってきます。

筋交いは単なる補強材です。しかし、それを取り付けるかどうかで、箱の中に「何が入っているのか」という物語が生まれます。頑丈に補強された箱となれば、相当な重量物が入っているのか、あるいは置こうと思っている世界によっては、中で暴れ回るような怪物が閉じ込められているのかもしれない……。パーツを一枚足すか引くかだけで、その箱が持つ物語がずいぶんと変わってくるものです。

興味深いのは、このセットの中で一番大きな箱には筋交いのパーツが特にない点です。これほどでかい箱に筋交いが必要なほどの重たいものを詰めたら、人間には到底運べなくなるからでしょうか。そんな実用上の理屈までパーツ構成から推察できるのはかなり面白いですし、演出しがいがあるポイントだと思います。

カートや様々なサイズの木箱が詰まった賑やかなセットですが、筋交いひとつに思いを馳せるだけでも、木箱という小物が持つ深さにどこまでも悩める不思議なプラモデルです。さらにもっと強度を増そうと思うなら、付属したパーツを取り付けてX型に筋交いを増してみるのも面白いはずです。