
諸事情で「200mってどれくらいの大きさだろう」というのを体感しなければいけなくなり、模型店で艦船模型を片っ端から見ていくと、ひゅうがというヘリコプター搭載型護衛艦が全長197mとあった。買って家に帰り、パッケージを開けた瞬間に「うおっ!」と独り言が出てしまった。透明の甲板がバイーンと出てきたからである。
ほとんど空母みたいな見た目のひゅうが。プラモなら左右合わせの船体にまっ平らな甲板を乗せ、ちょこんとアイランド型の艦橋を乗せれば終わりだろうと思っていたのだが、ハコがやたらと分厚く、重い。その答えがこの透明甲板パーツに隠されていた。

キットは船体の内部構造もそこそこ再現した意欲的なもので、格納庫の内壁、エレベーターの上下選択、乾舷にあるシャッターの開閉選択など、1/700スケールで表現できるひゅうがの機構が余すことなく盛り込まれている。一般公開では見学客をエレベーターに乗せて上下するのがおなじみのデモンストレーションとなっているので、運よく実物に乗れた人が思い出に買うと格納庫内部も含めて記憶が蘇るだろう。透明甲板はそうした内部構造を完成後にも見えるように……と配慮されたボーナスパーツだったのだ。

実質ヘリ空母とも言えるひゅうがなので、ヘリコプターも多数用意されている。SH-60Kが3機、MH-53EとMCH-101がそれぞれ1機ずつ。とくに図体のデカいMH-53Eは1/700でも見栄えがする。惜しむらくはローターを格納状態にしたパーツが用意されていないことで、エレベーターでいままさに出てくるところとか、格納庫に降ろされた状態は再現できない。このへんはピットロードやハセガワのパーツを探してきて組み合わせるのがいいかも。

甲板に居並ぶ車両(クレーン車、牽引車、作業車、消火車)もそれぞれ1パーツながら立体感あふれる造形が楽しい。平らな甲板を持つフネに情報量を与えたければ、甲板をジオラマに見立てるのがいちばんだ。そんなとき、搭載されるヘリコプターや車両が変化と彩りを与えてくれる。

一回り大きくSVTOL機の運用能力を獲得したいずも型の登場により主役の座を譲った感が強いひゅうがではあるが、アオシマ製のプラモデルは同型の「いせ」と並び、ここ15年あまりにわたって適宜パーツを追加しながらバリエーションが展開されている定番商品だ。シンプルな外観に対してその魅力を余すことなく伝えようとしている濃いめの内容を、あなたもぜひ味わってほしい。