
タミヤの1/35新作戦車、M24チャーフィー。エッチングパーツの攻略や足周りの安定など、組み立てをスムーズにし、完成後も美しく仕上がる工夫が随所に盛り込まれています。履帯の接地や滑らかな接続など、地道で丁寧な作業が続く足周りを終えたいま、いよいよ車体の組み立てへ。ここには、実車ならではのちょっとしたヒミツも隠されているんですよ。


車体上部を組んでいると、側面が垂直ではなく、少しだけ内側へ傾いた逆台形になっていることに気づきます。これが実車のポイントです。

参考に車体とフェンダーを組み合わせた状態がこちら。上下のラインがつながり、側面の一枚板に角度が付いていることがよくわかります。フェンダーも転輪も水平なので完成すると意外と気づきませんが、こうすることで小さな車体でも砲塔リングをギリギリまで大きく確保できる。そんな設計上のテクノロジーなのです。

傾いた車体側面にフェンダーを水平に取り付けるため、ここにも工夫があります。ベロは少なめですが、ダボとピンがしっかり設けられているので、車体上下で挟み込んだときもズレにくくなっています。

完成すると、逆台形の車体形状が見えるのはフェンダー上のほんのわずかな部分だけ。それでも組んだ人なら、そのヒミツがちゃんとわかるのが模型の面白さですよね。砲塔リングを拡大したことで75mm砲を搭載でき、対戦車能力が大きく向上した――そんな必要に迫られて生まれた設計の妙を追体験すると、またM24チャーフィーが好きになるわけです。

車体後方に付ける布表現のパーツを切り出すと、面白い彫刻を発見。裏側にL・Rの刻印があり、切り離したあとでも左右を間違えないようになっているんですね。

そして牽引ロープの表現も見事です。かつてプラ製ロープといえば、大きなパーティングラインが目立つのが当たり前でした。それが今では、細く撚られた鋼線の質感までしっかり表現されるようになりました。

車体上面から回り込んで前後のフックへ取り付けるのですが、そのねじれ表現が実に自然。端から端まで撚り目が途切れず続き、曲がり方まできちんと再現されています。車体へぴたりと沿う配置も含めて、まさに奇跡の1パーツですよ。

砲塔天面は中央の細いパーツでつながり、左右には支えとなるランナーが配置されています。接着直前まで切り離さないのがおすすめですが……。

実はこのランナー、接着の邪魔にならないので、貼り合わせてから切っても問題ない設計になっています。組む人のことをとことん考え、随所に工夫が凝らされている。タミヤの技術は、組みやすさにまで及んでいると思い知らされます。

完成! 軽戦車らしいコンパクトなサイズで、1/35スケールでも大きすぎない心地よさがあります。砲塔をはじめ、意外と複雑な曲線や面構成を持っているところも、眺めていて飽きないポイントです。

組みやすくて楽しい。そして戦車らしい姿をコンパクトに味わえる。地道で丁寧な作業もありますが、その難しさをタミヤがしっかりサポートしてくれます。戦車模型の経験を積むなら、これほど良いアイテムもありません。M24チャーフィー、実にいいキットです。さて次は、このキット最大のオプションとも言える、フィギュアのアニキふたりを見ていきましょう。