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【キットレビュー】思い出の戦車を、最高の組み心地で。「難しそうを気持ちよさ」に変えてくれるタミヤ 1/35 M24 チャーフィー

 突然ですが、皆さん、戦車に乗ったことはありますか? ……というと、模型を楽しむ人の中には本職の方もいらっしゃるので、意外と手が挙がりそうです。

 また、駐屯地では体験搭乗として74式戦車の後部席に乗れることもあります。しかし、私が体験したのは、また少し違う「戦車の乗り方」でした。

 そして、はじめて乗った戦車がこのM24チャーフィーだったのです。いや、「なんで急に戦車がジャングルジムになってるんだよ!」という感じですが、私も「え、これ乗っていいの?」と思いつつ、踊る阿呆に見る阿呆、乗らにゃ損とばかりによじ登りました。どこもカッチカチで、フェンダーに体重をかけてもびくともしません。ウェザリングで端をゴキゴキ曲げたり折ったりするじゃないですか。「あれ、本当にできるの!?」と思うくらい、とにかく戦車ってカチカチなんです。

 そんな思い出の戦車がタミヤから発売されると聞けば、飛びつかないわけがありません。ホビーショーでワクワクし、ランナーを眺めてニヤニヤし、実車解説書を読んで「なるほど」とうなずく。そしていよいよ組み立て開始です。まずは車体の箱組みから。しっかりした垂直板を立てて横板を支え、流し込み接着剤を裏側から流せば、ガッチリ固定できます。

 そして、いきなりエッチングパーツのカゴを組むというハイライトがやってきます。繊細で異素材、しかも曲げ加工まで必要。「大丈夫かな……」と身構えてしまいますが、ここにはタミヤらしい配慮が詰まっています。まずパーツを切り出す際、同梱されている厚紙が受けになるんです。柔らかいマットの上では力が逃げてパーツまで曲がりがちですが、厚紙なら刃がスッと入るので、新しい刃を付けたデザインナイフならかなり成功率が高いでしょう。ゲートはなるべくパーツ際で切るのがポイントです。

 ジグに長いベロを差し込み、ほんの少しだけ曲げ方向を付けます。これはスムーズに曲げるための下準備なので、本当に少しだけで十分。また、3本あるベロはしっかり奥まで差し込みましょう。

 フタになるパーツをぐいっと押し付けると、全体のカーブが自然に決まります。あとは側面を曲げて合わせるだけ。ジグがしっかり支えてくれるので、指で曲げるだけでも折る位置が自然と決まります。

 エッチングパーツは普通なら曲げる順番を考えたり、ちょうどいい太さの円柱を探したり、金属の反発まで計算したりと、意外と準備が必要です。それが今回は、差し込んでかぶせるだけ。これは本当にラク。そして、タミヤの工夫はこれだけではありません。

 曲げたカゴを車体後部へ差し込み、板パーツを取り付けると、エッチングパーツを通しやすくするために広く設けられていた差し込み口がきれいに塞がれます。同時に、その板がベロをしっかり受け止める構造になっているので、接着剤を使わなくても抜け落ちません。ここまで考えられているのか……! と思わず感心してしまいます。

 難所ではありませんが、地味に丁寧さが求められるのが足周りです。転輪の軸がきれいに並んで接地するようダボが設けられているのはもちろん、ダンパーも独特な構成になっていて、実車解説にあったM18ヘルキャット譲りのトーションバーサスペンションを思い起こさせます。

 プラ製履帯は起点となる切り欠きが設けられていて、接地面からぐるっと後ろへ回しながら固定していく流れです。タミヤセメントで履帯や転輪、誘導輪を少しずつ接着しながら、焦らず進めていきましょう。

 左右で1枚だけ異なる履帯があるので、説明書を横に置いて何度も確認しながら進めます。難しい作業ではありませんが、ここは丁寧さが何より大切。きれいに並んだ履帯を眺めながら満足感に浸りつつ、接着剤がしっかり乾燥するまで待ちましょう。実車に登ったときの「戦車ってこんなに頑丈なんだ」という驚きと、その姿をプラモデルとして机の上で味わえるうれしさ。そして組み始めてみると、エッチングパーツや履帯といった「難しそう」と身構えるポイントにも、タミヤらしい工夫がぎっしり。作る人を不安にさせるのではなく、「ほら、こうすれば大丈夫」と自然に導いてくれる設計は、やっぱり見事です。

 まだ組み立ては道半ばですが、この時点でもう楽しい……。次回はいよいよ上部構造や砲塔を組み立てて、チャーフィーらしい軽快なシルエットを完成させていきましょう。

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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