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【レビュー】タミヤのシェリダン愛が爆発したスーパー戦車模型を組める喜び。1/35 アメリカ空挺戦車 M551 シェリダン (ベトナム戦争)

 タミヤミリタリーミニチュア最新作「1/35 アメリカ軽戦車M24チャーフィー (ヨーロッパ戦線)」が大人気で盛り上がっておりますが、このアメリカ戦車も最高ですよ! ベトナム戦争において初めて実戦投入された空挺戦車「M551 シェリダン」です。このプラモ、割とコンパクトな戦車のですが、当時のタミヤスタッフがやりたい放題でこだわりを詰め込みまくっています(さすがタミヤミリタリーミニチュア50周年記念プラモデル)。ちょっとやりすぎでしょ! って笑みが込み上げてくるスーパー戦車プラモデルです。

 まずはその完成した姿からシェリダンのかっこよさを味わってください。この戦車は、空挺部隊と共に空中から投下できます。それだけでロマン! アニメでも戦車やメカの空中投下は、子供から大人までワクワクさせてくれますよね。シェリダンは、輸送機からの空中投下、川などでの浮航能力、そして強力な武装という「どこまでドリームを盛り込むんだい!? どっちなんだい!?」 とツッコミを入れたくなるほどのロマンの集合体なのです。そのため様々な箇所がユニークで、多くの人を惹きつけるデザインにも繋がっているのです。

 印刷物からも、このシェリダンに並々ならぬこだわりが注ぎ込まれていたことが伝わってきます。説明書や車両解説に加え、実際にシェリダンに乗っていたアメリカ陸軍元特技兵、ダグ・キビー氏による『私とシェリダンのベトナム追憶記』という小冊子まで付属。これを読むと、ベトナムの戦場の空気や「現地改修」という言葉の重みと楽しさがぐっと身近になります。

 しかも締めくくりには、「私の趣味はAFV模型の製作です」のひと言。えっ、この戦場体験ってプラモアニキの思い出だったの!? そんな親近感が湧いてきて、シェリダンという戦車にも、より感情移入したくなってしまうのです。

 砲塔は圧延装甲を溶接したもの。この丸みが最高にかっこいいのです。SFメカ的なラインですよね。

 そして砲身周辺のモールドのキレが最高です。砲身根元のリング状のモールドは、メカニックのかっこよさを伝えてくれます。さらにぬめっとしたラインが光を反射して、独特の色気を放っている防楯の成型も見事! かっちりとしたところと丸くてなめらかな部位が混在する、1パーツで違う旨みを味わえる最高のパーツなのです。

 そしてシェリダンの最大の特徴とも言える車体パーツ。こちらは1パーツで成型されています。すごい! シェリダンの車体は、空中投下できるように重量を限りなく軽減しています。そのため装甲材にはアルミニウム(砲塔は鋼鉄)が採用されています。そして車体両サイドに注目。硬い装甲の雰囲気とは一線を画すなめらかな曲面になっている箇所があります。そこが「浮航用スクリーン」が収納されている場所です。また側面は内殻と外殻の二重構造になっていて、浮力を確保するために内部にウレタンフォームが充填されていたそうです。このパーツと付属の実車解説を併せて読むと、よりシェリダンの特異性が際立ってくるのです。

 多数のクリアパーツもセット。透明は塗装では表現が難しいので、嬉しいですね。完成後にきらりと光るアクセントになりますよ。

 さらに本キットはネットや金属線などプラスチック以外のパーツも多数登場します。その中でも特徴的なのがこのネット。シャリダンにとって脅威となっていた携行対戦車火器RPG-2やRPG-7から車体を守るための現地改修装備です。全てに装着されていたわけではないので、キットでも作る仕様での選択式となっています。でもかっこいいから、ぜひ装着してくださいね。

 そして砲塔下部からニョキニョキ生えているスモークディスチャージャーも超こだわり成型。筒状のパーツを1パーツで成型し、取り付け基部を2パーツにするという構成。しかも付け位置によってしっかりと角度が決まるように基部はそれぞれ専用パーツになっています。そんなこだわりスモークディスチャージャー。組み間違えが発生しないように、基部部分には「L1」「L2」「R1」「R2」などが刻まれたタグが付いていて、これを目印に組み立てと接着を行います。

 「R2」と書いてありますね。この基部を使って組み立てたものを説明書の取り付け位置と照らし合わせます。そして接着の時にこのタグだけカットして、所定の位置にパーツを貼ります。

 砲身の可動は金属棒とボリキャップが使用されており可動もスムーズ。保持力も抜群なので、あなたの好きな位置で固定できますよ。

 そして弾薬や弾薬箱の成型も素晴らしいです。特に「箱」。箱は各面の留め具を表現するために、4面で分割された超こだわり仕様。組み立て工程は多くなりますが、非常に素晴らしい箱が完成します。僕にとってはプラ製の履帯を組むよりも時間がかかった、まさにシェリダンの山場と言える箇所でした。タミヤさん、やりすぎっす!(褒め言葉)

 もちろんアニキも最高。アニキの良さは、別の記事でnippperライターの中でもベトナム戦争大好きなしげるが書いてくれますので、そちらをお楽しみに! 着こなしとかポーズとかマジでかっこいい。第二次世界大戦の兵士たちとは違った雰囲気を最高のプラモで味わって欲しいです。

 実際に組み上がるまでにかかった時間は、およそ6時間。毎日2時間ずつ作って、3日間で完成しました。弾薬箱やスモークディスチャージャーなどのように、各部のディテールを最高の状態で立体化するために、パーツはかなり細かく分割されています。その組み応えと完成後の密度感は、ガンプラでいうところのマスターグレード的なアプローチ。フルインテリアキットではありませんが、シェリダンの外観のかっこよさを、タミヤがこれでもかと詰め込んだプラモデルになっています。しかもタミヤは、本キットをさらにかっこよく仕上げるためのディテールアップパーツまで別売りしています。どんだけシェリダンが好きなのよ! 組みながら思わずニコニコしてしまうほど、作り手のこだわりと愛情が伝わってくる最高の戦車模型です。ぜひこの機会に作ってください。本当にかっこいいよ!!。本当にかっこいいよ!!

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。

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