
タミヤの1/35 M24チャーフィーは、組み立てやすさだけでも十分に驚かされるキットです。エッチングパーツ用のジグや瞬間接着剤いらずの構成、牽引ロープの一体化、砲塔天面の支えなど、「気持ちよく組める工夫」が随所に詰まっています。そして、このキットの魅力は戦車本体だけではありません。タミヤのミリタリーミニチュアらしさをぐっと引き上げてくれる、同梱フィギュアのアニキたちも実に見事なのです。


パーツでわかる、もちもちの若い肌。プラスチックに柔らかさを与える設計のうまさが、文字どおり光っています。わずか4.5mmほどの顔に、ちゃんと鼻の穴があるってなんなんでしょう……。

車長のアニキは、シャキッとまっすぐ立ったポーズ。上着の裾の点々としたふくらみもすごいし、腰の後ろ、ベルトの下でズボンが押されて生まれるシワまで表現されています。このあたりは戦車に乗せると見えづらくなるので、今のうちにじっくり堪能しておきましょう。

座ったアニキはツナギ姿。くの字に凹んだお腹まわりのシワが、「これどうなってるの……」というぐらい自然です。布という生き物の表現が本当に素晴らしい。スミ入れや塗装をすると、このディテールがさらに輝くんですよ。

昔はシワの位置を見ながら「ここかな?」と接着していましたが、今はしっかりダボが用意され、パーツの角度もぴたりと決まります。合わせ目も気持ちよく合うので、流し込み接着剤だけでスイスイ組み上がります。

顔の力、アニキのパワー。光を当てるだけでシワがしっかり表情を作ってくれる、この造形力。わずかなパーツ数でも、単体で見応えのあるフィギュアになるのがすごいところです。

フェルメール作、戦車に乗るアニキです。さすがに言い過ぎですが、この振り返った表情といい、絶妙なポーズといい……。これがM24チャーフィーにそのまま付いてくるのだから、出来すぎでしょう。

しかも、おしりにヒミツがあります。砲塔のイスの形に合わせておしり側がわずかに凹んでいるので、置くだけで位置がピタッと決まるのです。

そっとハッチに添えられた左手、お見事。車長の腕もキューポラに気持ちいいくらいフィットしています。この「何も考えなくても決まる」感覚も、タミヤらしい気持ちよさですね。

アニキが乗るだけで、戦車はぐっと生き物らしくなります。人がいることで大きさが伝わり、車体のシルエットもいっそうかっこよく見えてくる。この景色こそ、タミヤのミリタリーミニチュアを組む楽しさのひとつでしょう。戦車本体の組みやすさはもちろん、このフィギュアまで含めて「完成させる喜び」が詰まったM24チャーフィー。ぜひアニキともども、最新のタミヤを楽しんでください。