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【レビュー】見えるからこそ楽しい「タミヤ 1/35 M10駆逐戦車」。バランス最高、内装と人のコンビネーションに酔いしれる。

 第二次世界大戦で米軍はM4シャーマン戦車を中心に戦っていたのですが、もう少し火力があったほうがいいよね……というので、装甲はほどほどに火力をパワーアップさせた車輌を開発しました。それがこのM10駆逐戦車です。

 そのため足周りはM4系と同じような構成ながら、上側がガラッと変更され直線の角張った形状になり、シルエットからして変わっています。この車体のパーツは上から見ると四角いカタチで、足周りにかぶさるサイズになるので迫力もなかなかなんですが、M4から比べると装甲では劣ると言うから戦車の世界はなかなか難しいものです。

 何よりカッコイイと思えるのが砲塔。M4シャーマン戦車は丸い砲塔が特徴ですが、この四角いパーツが圧倒的なシルエットの変化をもたらします。砲塔パーツのカタチにあわせて、ランナーもリング側は丸く、上面側はカクッと変化してるのも見どころ。

 足周りの入ったランナー(プラモデルのパーツが収まっている枠のこと)を見ると、M10用に新造されたものになっています。砲塔リングのギア部分や牽引ロープの端などふたつ必要なパーツを入れつつ、転輪やサスペンション部分がモリモリ入ったランナーです。

 そして防盾パーツは鋳造された部分ですよ、というのをディテールで雄弁に語ります。肉眼でわかるぐらいにざらざらですが、カメラで見るとつぶつぶがすごい。1/35の人間が見たら納得のサイズ感で鋳造表現がされています。

 高い鼻、シャープな顎、貼りのある頬……。やはりアニキの役者っぷりがすごい。レンズでぐっと寄り、ファインダーで覗いた時に驚きの声を上げるパーツ。これが3人もいます。

 足周りの組み立てはなかなか面白い部分。実車と同じにするとさすがに複雑すぎる、ディテールを入れつつシンプルに組み立てたい。そうした実物とプラモデルとの関係性をうまく交渉して、ひっくり返しても同じになるように軸が2本ずつ出たサスペンションアーム部分など、組みながら本当によく考えられているなと思えるパーツが揃っています。

 足周りだけでなく、見える部分の車内底部もあるのがM10の特徴。ここまではM4と似ている……ようでいて、このパーツがあるからこそのM10なんです。履帯はタミヤセメントで接着できる軟質素材のベルト式なので、接着剤が乾けば簡単に履かせられます。

 そしてアニキ・アニキ・アニキ。単に立たせるとまるでスポーツをしているかのような3体ですが、車輌のなかでわっせわっせと装填する、砲を動かす、指揮するの3人です。

 フィギュアはダボ位置がしっかり決まるのでポーズもずれなく、車輌の各部にピッタリと合うように設計されています。車輌に開口部があるからこそのこの3人で、床まで再現したのは彼らが立つ場所をいい感じにつくるためなんですね。

 単品の車輌としてもかっこいいM10。アニキが乗れば迫力の画になるところもなかなかステキ。この平面構成で前すぼまりな砲塔も大好きで、何回組んでも楽しいのがタミヤのM10です。今回もまた、アニキの存在感を改めて知ることとなりました。

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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