
ウェーブの1/100 VF-1バルキリーはファイターとバトロイドのキットを組み合わせることでガウォーク形態を作れるようになっている。2010年に登場したこのキットの特徴で、2形態のキットを両方揃えることで実現するボーナスエディションとでもいったトコロ。 ガウォーク形態に組み上げるための追加パーツは深いディティールが気持ちのいい仕上がり。とくに腕の基部はこれだけでもカッコよさが結晶化しているパーツだ。

ファイターの胴体にバトロイドの手足を取り付けることでガウォーク形態を組み上げることができる。ここで留意したいのはあくまでも2つのキットを組み合わせることで「ガウォーク形態を組み上げることができる」のであって「ガウォーク形態に組み換え変形させられる」わけではない点だ。

スナップフィットではあるがつけはずしを繰り返すことを想定した設計にはなっていない。だから決して「組み換え変形」は謳わずに「合わせてガウォーク形態に組むことも可能」という仕様を謳っているんだな。 後年バンダイが展開した組み換え変形「ショートカットチェンジ」と似ているようでいて全く違う。実際、ファイターとバトロイド各々の形態で一度組み上げてしまっていた状態から分解してガウォークに組みなおすのはなかなかに骨が折れた。ハセガワのようにガウォーク形態のキットとして別に出してくれてもいいのよ?と思ってしまった。

そう考えるとファイター形態キットに抱いていた、組みにくさが前に出てしまう印象は「ガウォーク形態にするための部品分割」に起因しているといえる。ファイター形態オンリーで考えた時には不要な分割がされてしまっていたからなんだな。

一方でバトロイドにそれほど組みづらさを感じなかったのは、関節で区切られた四肢を転用するだけなので「ガウォーク形態にも組めるようにするための都合」による影響がほとんど無かったからといえるかもしれない。 でも、この組み合わせる仕様のおかげでファイターとバトロイドで同じメカが変形した別形態であることを感じさせるシュアなスタイリングに仕上がったともいえる。

ウェーブのファイターとバトロイドはあくまでも独立したキットなので形態ごとに違った良さを求めた別造形なんだけれど、一見してそれを感じさせない説得力を持たせるのに成功している。そしてその振れ幅の中で作られた飛行機の胴体とロボットの手足で組み上げられたガウォークは、やはり出色の出来栄えなのだ。どうしても「ガウォークのためだけにあつらえられた仕様」ではない部分で自立できる角度がかなり限られてしまう……みたいな足りなさは感じてしまうのだけれど、こういった形だからこそ実現した造形とも思うし、こういった構成でしか実現しない事情があったのかなとも思う。

「組みづらい/組みやすい」といった軸とは別に、設計にこういう意図があったのかとか、この考え方はスキだなとか一度組んだファイターとバトロイドのキットに抱いた印象が書き変わっていく感触があった。上巻を読んで呑み込めなかった事情が、下巻を読んで腑に落ちたり、そのスピンオフを読んでやっぱりここは納得いかないムキー!となってみたり、読み込んでるうちに妙な理解や自分なりの解釈が立ち上がってくる小説というか……。プラモは基本的に組み立てる遊びなんだけど「読む」っていうのもできるんだな。普段から「読もう」なんて思って接してるわけじゃないけれど、時々なんか「読めてしまう」時がでてきません?……なんだか怪文書を書いてしまったかもしれないな……。