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1:72飛行機模型の表現力はここまで来ているぞ!/アルマホビー F4F-4 ワイルドキャット

 連合国軍によって1942年11月8日に実行されたトーチ作戦(Operation Torch)は、モロッコとアルジェリアへの上陸を企図したものだった。戦史的には北アフリカで繰り広げられた地上での攻防がクローズアップされ、壮絶な戦車戦を率いたパットンとかロンメルと言った武将の名前が馴染み深い。当然ながら航空支援も展開され、このプラモデルは米英のF4F-4ワイルドキャットをプラモデルにしたものである。

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 パッケージを開けるとそこには思わず目を疑うほどシャープな彫刻を施されたパーツがぎっちりと並んでいる。主翼裏側を見れば、パネルライン、リベット、折りたたみ位置に来る可動式の板の造形、そして各所に見られる涙滴型の膨らみなど、極上のディテールが出迎えてくれる。1/72スケールでこの端正な彫刻を手に入れられるメーカーは世界広しと言えどもさほど多くはない。

 これはエンジンに至っても同様で、空冷星型のP&W製R-1830エンジンは肉眼で捉えきれないほどの緻密なフィンがびっしりと並んでいる。もちろん組み立て精度は抜群で、「海外製のプラモデルはちょっと不安だな」と思っている人にまずオススメしたい内容。見た目はゴツいが繊細な構造を持つ足回りも含め、ワイルドキャットはとにかく組むだけでも無性に楽しい飛行機だ。

 広いコクピットは少ないパーツ数でも表現力抜群。計器盤の浮き彫りも金型加工の素晴らしさを感じさせる見た目だし、これらのパーツが絵に描いた餅ではなく寸分違わぬハメ合わせでビシッと定位置に収まってくれる。説明書に記載されたQRコードを読み込むと、機体の詳細について記述され、図版や動画も添えられたメーカーのブログ記事に誘導されるのも素晴らしい。

 デカールはポーランドのTechmod社製で、発色もニスの余白の小ささも出色の出来。さらにカット済みのマスキングシートも付属しているため、キャノピーや車輪の塗り分けもバッチリだ。モデラーが製作時に気にするところを徹底的にフォローしながら、うまくゴールできるようしっかりとゲームバランスを調整していることがうかがえる。

 唯一惜しい点があるとすれば、ゲート(パーツとワクを繋いでいる部分)の形状だ。繊細なパーツにもたっぷりと圧力をかけて整形できるよう太めになっているところが多く、さらに胴体のパーツなどはパーツのフチにめり込むような半球状のゲートになっているところも散見される。手荒に切り出せばパーツ自体が欠けてしまうこともあるので、ある程度余裕を持った位置にニッパーを入れてから徐々に削り込んでアウトラインを出していく必要がある。

 キットは米軍機2、英軍機1から塗装とマーキングが選べる内容。1/72のワイルドキャットとしてはこれ以上ない出来のプラモデルだと思う。心身気鋭のポーランドメーカーの実力を知り、そして彼らが展開する数多くの飛行機模型にぜひとも興味を持ってもらいたい。

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からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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