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零戦の隣に置きたい超絶グラマーなタミヤの傑作飛行機模型/「1/48 グラマン F4F-4 ワイルドキャット」

▲甲板から飛び立つ瞬間のワイルドキャットを描いた1枚。特徴的な着陸脚のアピールもバッチリ

 タミヤの飛行機模型「1/48 傑作機シリーズ」の中で異彩を放つプラモがあります。それが「1/48 グラマン F4F-4 ワイルドキャット」。タミヤの飛行機模型の中でも多くの人に手に取って欲しい・作って欲しい怪作です!

▲メリハリがすごいパネルラインの段差に、凸リベット(胴体表面の細かな点々)がびっしり!

 このプラモ、ワイルドキャットの無骨な雰囲気を強調するために、各所のモールドやリベットのメリハリが凄まじいのが特徴です。昨今のタミヤの飛行機模型とは違った「味濃いめ・脂多め」の濃厚な味わいを楽しめます。パネルラインの段差なんて、スポーツ選手の筋肉みたいな迫力がありますし、ワイルドキャットの特徴でもある各部の凸と凹のリベットなんかもバシバシと表現されています。各パーツのマッシブさで言えば、タミヤの飛行機模型シリーズの中でもトップだと思えます。アメリカのマッシブさというか、そしてどこかグラマラスな雰囲気がボディやお腹周りから感じることでしょう! 最高にセクシーなんですよ。

▲見てください、このお腹の膨らみのグラマーなこと。そしてリベットの共演。言うことなし!!!

 1/48スケールの飛行機模型で、ここまでやったら映える!(発売の1994年当時には映えるという言葉は使わなかったかもしれませんが)というギリギリのところを攻めたディテール表現が、あなたの目を確実に楽しませてくれます。パーツを枠からカットする前から、目が喜ぶ模型なのです。

▲アメリカのシカゴ空港で見たF4F-3 ワイルドキャット。お腹周辺を見てもらうと、無数のリベットが確認できますね
▲主翼。写真で見ると同じようなリベットに見えますが、ここも凸リベットと凹リベットが撃ち分けられています。指で触ると、すんごい気持ち良いです

 そしてこのプラモが最高なのが、パーツ数の少なさ。ワイルドキャットは外見がシンプルだから、そりゃそうだろうと思うかもしれませんが、着陸脚がかなり複雑な構成をしていたりするので、そのような部分で細かなパーツが登場しがちです。しかし、タミヤのキットは細分化することなく、それぞれのフレームを大きな1パーツとすることで、組み立てやすさを上げながら実機の雰囲気を見事に表現しています。

▲すぐできそうなワイルド感!! 
▲着陸脚のパーツ。切り離すだけで各ユニットが完成します。今のタミヤの飛行機模型よりも糊代は少なめですが、しっかりとパーツの形状を見れば綺麗に接着できますよ
▲水平尾翼は、誰でも正位置で組み立てられる安心設計。1体になった水平尾翼を胴体に差し込み、最後は垂直尾翼で蓋をします
▲アメリカ人ってでかいんなだな〜って感想が脊髄反射で出ちゃうコクピット。各ボタンやレバーは、一つのパーツに最初から彫刻されています

 少ないパーツ数でもコクピットや複雑な主脚構造を表現したパーツによって、胴体の中はさまざまな要素が詰め込まれます。そうなってくると不安になってくるのが胴体と翼のフィッティング。臓物が邪魔をしてうまくフィットしないという経験を、僕もさまざまな飛行機模型で経験しました。でも、そんな心配は杞憂に終わりました。スコン! って感じではまり、ワイルドさのかけらもない感じで胴体と主翼は合体したのでした。めでたし。

▲まじで気持ち良いくらいに合います。最高です
▲エンジンは、配線もモールドされてていい感じ。完成後にチラッと見える分にはこのくらいで十分!

 完成すると、ボディラインの美しさ、全身のリベットが生み出す陰影のかっこよさにくらくらします。ワイルドキャットはさまざまなメーカーから発売されていますが、1994年に登場したこのタミヤのワイルドキャットは、今でも最高な模型だと言えます。1/48スケールで、ワイルドキャットの無骨さを表現するために、ギリギリまで攻めたメリハリ。それによって生まれた最高のかっこよさは、手にした全員が笑顔になること間違いなし! どの零戦の隣においても、立派なライバルとして存在感を放つことでしょう。

▲光が当たると凸リベットが浮き上がって超かっこいいぜ!!
フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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