最新記事やプラモデル情報を毎日お届け!
follow on Xをフォロー!

NASCARと掛けまして、サルビノスJRのプラモデルと解きます/周回、心、重ねて。

 最近の自動車における「グリルの上端とヘッドライトの上端のツラを真一文字に揃えるトレンド」が大好きすぎる私です。昔からちょっと眠たそうなのに目ヂカラを感じさせる三白眼の人が好きなんですけど、多分それに近いものがある。そしてそのストライクゾーンにズバーンと入ってきたのがフォード・マスタングです。5代目もまあまあツライチだったのが6代目で凸凹の造形になりちょっとしょんぼり。しかし7代目は完全なる一目惚れ!そしてこれが当然NASCARで走るわけですよ。

 ということでサルビノスJRの「ジョーイ・ロガーノ #22 ペンゾイル フォード マスタング NASCAR 2024 チャンピオン」です。黄色いボディに大量のスポンサーロゴ、そしてなにより市販のダークホースとそっくりな面構え。箱を開ければその迫力を湛えたボディパーツがどーんと出てきてテンションが最高潮になります。しかし私はこのプラモデルを買うのがちょっとだけ怖かった。なぜか。

 事前に発表されていたパッケージ写真がとんでもなく稚拙なフォトショ仕事だったんですよね。なんらかの事情で別素材で用意されたボディの写真に表面のマーキングを変形させてむりやり貼り付けてある。各所のロゴはもちろん、いちばんグッと来たヘッドライトとグリル上端のラインがぐにゃりと曲がっていて「これ本当に大丈夫ですか……」と心配になったわけです(もちろんホンモノのパッケージはジョーイ・ロガーノが優勝を祝福されているド派手な写真なのでご安心を!)。


 さておき、このプラモデルにおいてボディ以外のパーツは基本的に2023年よりも前のものと同じです(なんならフォードのマシン買ってもシボレーのマシン買ってもトヨタのマシン買ってもエンジン以外同じです)。このへんは以前にnippperでも書いているのでそちらを読んでいただくとして、組み立てるのはそこそこ難しい。なぜならクルマの頑丈さを担保するためのフレームをぜーんぶ組まなければいけないのと、シャーシの基準面となるアンダートレイのパーツがめちゃくちゃ歪んでいるから。

 これまで私はサルビノスJRのNASCARキットに2度挑戦し、どちらもいまいちゴールできずに悔しい思いをしたのですが、今回は絶対に完成させたい。年を追うごとに組みやすさを考えてアップデートされている説明書はまあまあ頼りになるし、「パーツが寸足らずだから改造しないと思ったとおりに組めないかも」みたいなところも正直に白状していますし、真面目に作り込むべきところとファジーに処理しておけばいいところの違いもだんだん理解できてきたしな!

 そうそう、このキットのデカールはイタリアの名門カルトグラフ製でとても発色がよろしい。しかし以前組んだキットは厚みも硬さもすごくてかなり貼りづらかったように記憶しているのですが、今回のデカールを見る限りフィルムがすごく薄くなっていてマシンの凹凸によく追従してくれそうな予感がします……というか最近カルトグラフのデカールって全般的にニスが薄くなったよね(私は硬いのをケミカルで柔らかくするのが好きだったのですが、適切に扱えば薄いほうが取り回しは楽です)。

 オーバルトラックをぐるぐる走るように、私も同じパーツを何度も組んで少しずつ感覚を掴みたい。そして何より、惚れ込んでしまったマシンのカタチを自分の手で完成に導き、ジョーイ・ロガーノと同じように心の表彰台に上がりたい!そういう気持ちでニッパーを握り、まずはシャーシのカタチをたっぷりと楽しんでいます。ド派手にマッスルな見た目と繊細な駆け引きが楽しいNASCARとそのプラモデル。お気に入りのマシンを見つけて挑んでください。うまくいかないのも楽しいプラモデル、3度おかわりしてなおワクワクするプラモデルというのは、貴重な存在です。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

関連記事