
こんな派生機もあるかもしれない……そうした妄想力を爆発させてくれる「お宝のようなパーツ」というものが模型の世界には各ジャンルに存在します。僕が大好きな『マシーネンクリーガー』シリーズにも取り付けるだけで模型遊びの幅が広がるパーツがあるのです。

それがマシーネンクリーガーの代表的な意匠のひとつである「傭兵軍のシーカー」。横山宏氏によるアーティストモデルでは、「ハセガワ1/48 500MD ディフェンダーの射撃照準器のパーツ」が流用されたことが知られています。実在する戦闘ヘリの機首に増設された特徴的な形状をダイレクトに流用するアプローチは、SFメカニックデザインの「外付け機器」ディテールによるリアリティ演出の先駆けとして、多くのSFファンを魅了しました。

近年のマックスファクトリーの本格参入によってますます広がる35マシーネン。プラスチックモデルとしては、ハセガワのナッツロッカー、ルナダイバーといった大型機体からスタートし、海洋堂からも人気機体のリリースが続いています。そして、同スケールでの機体の選択肢が増えたことにより、自分の思い描く機体バリエーションを作るというSF3D時代から続く楽しみ方を、手頃なサイズの中で実現することが可能となったのです。

ここで、任意の機体に外付けすることで説明不要の説得力を付与できる「傭兵軍シーカー」があると、妄想が一層捗ります。例えば、シュトラール軍の機体にこのシーカーを付ければ、傭兵軍鹵獲仕様が作れたりするのでは? というわけです。ソ連軍のT-34戦車を鹵獲したドイツ軍が、これに自軍戦車のキューポラや雑具箱を増設した史実の例に見られるように、特徴的な記号を加えることで形状の変化だけでなく、物語も立ち上がってきます。こうした作り出すことへの余白、想像の余地が広いのもMa.K.の魅力のひとつです。

1/20スケール想定でアーティストモデルが制作され、そこに1/48スケールのディフェンダーからパーツが流用されたという経緯から、1/35スケールに合う程良いサイズで同形のシーカーを既存のスケールモデルから探し出すのはたいへんです(ご存じの方、ぜひ情報お待ちしています!)。35マシーネンでまず思い浮かぶのは海洋堂ARTPLAのグラジエーター。傭兵軍の4足歩行型重装甲戦闘スーツとして人気の本機には、ラインナップされている各型にシーカーが付いています。ですが、機体デザインとして特にグラジエーターのシーカーは外し難いところなので、ここから流用するのは少し考えどころかもしれません。


そんな時に登場するのが、35マシーネン大型モデルの雄。ハセガワの「ルナダイバー スティングレイ」です。スティングレイに傭兵軍シーカーなんて付いていたっけ? そう思われた方、そうです。本体には傭兵軍シーカーは付いていません。しかし、このキットには名脇役達が入っています。横山氏によるボックスアートにも描かれている宇宙用の装甲戦闘スーツ「ファイアボールSG」と、その偵察・電子戦型の「SGプラウラー」です。キットには、1/35でもスティングレイの巨大さがより実感できるように、同スケールの2機も付属しています。傭兵軍スーツの偵察型といったらそうです。シーカーです。

パーツ構成としては、SGの機体にシーカーを外付けしてプラウラーにする仕様なので、シーカーが独立したパーツとして同梱されています。基部が一体成形なのも嬉しいところ。基部とヘッドの2パーツですぐに傭兵軍シーカーができあがります。今回はこれを流用してみました。

ベースにしたのは海洋堂ARTPLAのカングール。量感に溢れたフォルムが魅力的なシュトラール軍の重装甲戦闘スーツです。ガレージキットを除けば、キット化はこれが初めての本機。さらに海洋堂ARTPLAマシーネンの定番スタイルである2機セットなので、ストレートに1機を作ったら2機目はアレンジしてみよう!そんなアプローチにも気軽に挑戦することができます。傭兵軍テイストでキャノピーを装甲化する小改造をして、傭兵軍シーカーを取り付けてみました。

シーカーと共に傭兵軍のカラーリング、認識帯、マーキングを施すとさらに親和性が高まります。程よいサイズ感で工作も塗装もどんどん進められるのも35マシーネンの魅力です。

二次創作的な視点からも世界観が拡がり続けるMa.K.シリーズ。もちろん、現在は3Dモデリング/プリントでパーツを製作するという選択肢も一般化してきています。しかし、メーカーを横断してパーツを組み合わせるという、まさにMa.K.がアーティストモデルで牽引し、プロダクトで築き上げてきたミキシング的な模型の遊び方には、また異なった面白さと製作中も含めた楽しみがあると思います。35マシーネンで次はアレンジやマイバリエーションに挑戦してみようという方は、是非「傭兵軍シーカー」を使って楽しんでください!