
2025年、あなたは何個のプラモデルを机に迎えましたか。nippper.comでは今年も数えきれないほどのプラモデルを紹介してきましたが、その中には「発売された瞬間に棚から消えたもの」「気づいたら定価で見なくなったもの」「買わなかったことを年末に後悔しているもの」が確実にあるはず!本記事は今年の大ヒットアイテムを集めた総決算ランキングです。振り返ってみれば、今年の模型シーンを語れる幅広いラインナップと言えるおもしろいランキングとなりました。それではどうぞ。
第10位
ウェーブ
NONスケール B.DUCK

かわいい見た目に油断して箱を開けると、ちょっと驚く仕掛けが入っています。圣斯基(SOSKILL)企画、株式会社ウェーブが輸入販売するB.Duckのプラモデルは、頭のタオルを磁石で着脱できる設計。普通なら自作加工が必要なマグネット脱着を、最初からキットに組み込んでくる発想が新鮮です。パーツは大きく色分け済みで、組立は1時間ほど。細長いラインシール貼りに少し集中力は要りますが、失敗しても目立ちにくいのが救い。完成後も「付け替えて遊ぶ」楽しさが残る、作って終わらないプラモデルです。
第9位
タミヤ
1/20 グランプリコレクションシリーズ No.43
ホンダ RA272

必ずしも塗装はいりません。組んで、デカールを貼るだけで机の上に「日本初のF1優勝」が現れます。タミヤの1/20 ホンダ RA272は、白・黒・シルバーの成形色だけで成立する完成度と、貼った瞬間に空気を変える日の丸デカールが最大の見どころ。組立の山場はV12エンジンで、横置きレイアウトや精密なフレーム構成から「なぜこのマシンが勝てたのか」を手で理解できます。作業時間は約3時間。知識も塗装技術も不要で、タミヤの設計力とホンダの挑戦史を一気に体験できる、買ってすぐ感動できる名作キットです。
第8位
BANDAI SPIRITS
1/144 HG 軍警ザク

工作が雑でも破綻しない──そんな優しさにシビれます。BANDAI SPIRITSのHG 軍警ザクは、ゲートの切り残しが干渉しやすい部分にあえて逃げを用意し、組む人の熟練度を問わない設計。情報量の多い機動戦士Gundam GQuuuuuuXにおける「山下いくと版ザク」の造形を、1/144でストレスなく味わえます。筋肉のように組み上がる胴体と脚部の可動、貼りやすく映える警察マーキングで無塗装でも完成度は抜群。作る過程も完成後も楽しい、いま最前線のガンプラ体験がここにあります。

BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ) HG 機動戦士Gundam GQuuuuuuX 軍警ザク 1/144スケール 色分け済みプ…
第7位
青島文化教材社
ゆるキャン△ SEASON3 ザ・バイクシリーズ
1/12 志摩リンのスクーター

志摩リンの愛車・ビーノが、完全新規金型でプラモデル化。青島文化教材社の本気が詰まった1/12キットです。スナップフィット&色分け成形で基本は「組むだけ」なのに、キャンプギア満載の専用パーツで世界観を演出。スクーターのプラモデルとしても貴重な存在で、組み上がる過程はバイク模型とは別の楽しさがあります。嵌合がややタイトな箇所はありますが、要所で接着剤を使えば組みやすさがはグッと上がります。キャラ物でありながら“実質THE☆スナップ”な快作、ゆるキャン△ファンもバイク好きも見逃せない一台です。
第6位
BANDAI SPIRITS
ポケモンプラモコレクション クイック!! コダック

10分で完成、道具いらず。それなのに「一緒に作る時間」まで手に入るのが、ポケプラクイック!! コダックのいちばんの価値です。BANDAI SPIRITSの「クイック!!」シリーズらしく、ニッパー不要で直感的に組めて、プラモ未経験者でも迷いません。頭の毛だけ光沢成形という遊び心も◎。価格も手頃で、2個買いして片方は素組み、片方は塗装やアレンジに挑戦する余裕もあります。完成度の高さと敷居の低さが両立したこのキットは、推しポケモンをきっかけに誰かを机に誘える、いま一番やさしいプラモデルです。
第5位
BANDAI SPIRITS
1/144 HG GQuuuuuuX

BANDAI SPIRITSのHG GQuuuuuuXは、成形色の完成度が異常に高く、塗らずともデザインに込められた色彩設計そのものを味わえる一体。未知の山下いくとデザインを、関節ブロックに頼らない新構造で理解しながら組めるのが最大の快感です。パーツ数は多めでも手順は論理的、完成後は驚くほど滑らかに動きます。素組みで満足な人も塗装を頑張りたい人も、新時代のガンプラ文法に立ち会える今この瞬間を逃す理由はありません!
第4位
青島文化教材社
PLAfig. ゴジラ-1.0 ゴジラ (2023)

彫刻とスタイリングは文句なし、組めば納得の完成度。青島文化教材社のPLAfig.第一弾、ゴジラ-1.0 ゴジラ(2023)は、生物的造形を真正面からプラモデル化した意欲作です。最大の見どころは38枚に及ぶ背びれ。1枚ずつ貼る工程は手間ですが、その分、劇中の“役者としての背びれ”を立体で体感できます。番号対応表という工夫も含め、有機モチーフ特有の難題に挑んだ痕跡が楽しいポイント。フィッティングは優秀で、角度も一発で決まる快感。作ることで進化の最前線に立ち会える、ゴジラ好き・造形好きなら外せない一体です。
第3位
マックスファクトリー
PLAMAX 1/24 X・ATH-02-DT ラビドリードッグ

42年待った答えが、ついに机に来ました。マックスファクトリーのPLAMAX 1/24 ラビドリードッグは、『装甲騎兵ボトムズ』のクライマックスに登場したATを「本来あるべきスケール」で初プラキット化した事件作。巨大感と密度を両立する新規設計、走りそうなサンドトリッパーの造形解釈、意味を持って刻まれた肩リブなど、設定と歴史を踏まえたディテールが刺さります。武装は組みやすく、合わせ目も賢く回避。キリコのフィギュアまで付属して、約4時間で圧巻の完成度。まだの人はいますぐ買いましょう!
第2位
タミヤ
1/24 スポーツカーシリーズ No.319 LEXUS LFA

プラモデルと本を同時に買ってください。タミヤの1/24 レクサス LFAは、駆動系まで組めるフルディスプレイ仕様で、切って貼るだけでLFAの思想と構造が立体で理解できる名作。そしてそれを覚醒させるのが、『クルマはかくして作られる4 レクサスLFAの設計と生産』です。本を読みながら組むと、このプラモデルの異様な構成がすごく意味を持って見えてきます。完成させなくても楽しい、分解しても学べる。模型が教科書になり、教科書が模型になる──知的快楽が爆発する体験で、人生変わっちゃいます。
第1位
エレキット(ELEKIT)
レトロフォーミュラ

これは教材ではなく「動く理解装置」です。エレキットのレトロフォーミュラは、単4電池2本で走り、V8ピストンが上下し、4速+後進のミッション、ダブルウィッシュボーン、デファレンシャルまで本当に作動する異次元キット。233パーツの大半が機構そのものという設計で、切ってハメるだけで自動車の理屈が手から脳へと注入されます。それでいて造形と色設計は超美麗。失敗前提の電動プラモとは別次元の確実さで、組めば必ず美しく動く。クルマ好き、メカ好き、プラモ好き全員に刺さる、週末を楽しむのに最高の一台です。
新作旧作入り乱れるラインナップのなかで「気になっていたけど買っていないもの」がひとつでもあるなら、ぜひとも年末年始にお楽しみください。2026年もnippper.comで、プラモデルの楽しみ方をどんどん広げていきましょう。。もちろん、みなさんのキットレビューも常にお待ちしております。それでは良いお年を。来年もnippper.comをよろしくお願いいたします!
(文・構成/nippper編集部)