
プラモを作るのに誰しもがゲート(パーツとワクをつなぐ細い部分)の切り残しをしっかり処理するとは限らない──。小学生の息子を見ていると、ニッパーの2度切りすら面倒くさがってやらない。だが、その切り残しがあると色々と不具合が生じてしまう。発売されたHG軍警ザクにはそのジレンマと向き合うメーカーの姿勢が具体的に見て取れた。
今回、股関の球型関節の受け側に凹状の部位があるのを見て「ゲート切り残しの逃げ(ゲート跡との干渉避けスペース)が設けられている!」と思わず目を見開いたのだ。ニッパーの刃が入りづらくゲートが残りやすい面なうえ、組み立てや可動に支障が出やすい部位に対して「注意!デザインナイフやヤスリでゲートの跡をきれいに切り落としてね」とユーザーに委ねることなく、工作精度のバラツキを見越した設計となっているのだ。加えて言うならば、メーカーがそこにコストをかけている。バンダイスピリッツの現在進行系のプラモデルには気付きもしない「ユーザーに工作熟練度を過度に求めない工夫」というものがパーツ設計に込められているのだろうな……と、意識させる一件だった。

2025年時点での最新ガンダム作品となる機動戦士Gundam GQuuuuuuXのガンプラがどしどし展開されようとするなか、主人公ガンダムに続いて第2弾となるHG 軍警ザク。組み始めると「プラモにするにはムズくないか?」と思える情報量満載の山下いくとデザインワークスが、これまたしっかりプラモデルとして成立していることに驚きしかなかった。新作ガンプラには延々と驚き続けているのだが、それに陰りが見えないのには本当に驚異的だと思う。
先述した脚部まわり、特に山下ザクのアイコンと言える丸型タンクとガードバーのパーツ構成、組味には形容が追いつかないので「うはぁー!?」と、とりあえず声を出してみた。そしてこのキットのもうひとつの目玉だと感じたのは「警察」の特異なフォントがアイコニックなマーキングシール。

この面への追従性が良さそうな薄いテトロンシールをしっかり貼りきれば、無塗装でもバッチリ山下いくとザクに成ると直感したので正座で向き合ってみた。デザインナイフで余白を切り除き、ピンセットでつまみ上げて「多少のズレは良し!」の精神で指示されてあたりにシールを置く。そして綿棒を使ってシール中央から外へと空気を逃がしていくと面にピターと沿っていく。シールドの段差も綿棒でなぞっていくとテトロンシールが適度伸びていって浮いてこない。ヒーターとかで熱を加えなくても常温でしっかり貼りきれた。先の尖った綿棒を使ってみたら調子良かったのでオススメ。
今までザクのプラモは散々つくってきた自分。好きとはいえ、正直「ザク」という変わらぬ組み立て工程と向き合うことには腰が重くなってはいた。しかし今回の軍警ザク、山下いくとザクには新鮮な工程が溢れていたこともあり、もうおわかりがしたい。「一新されたザクたちが主役」といっても過言ではないジークアクス。これからどんなザクに触れられるのか今から楽しみだ。