
ボケーっとTVCMを見ていたのである。いきなりトヨタ2000GTとレクサスLFAがテストコースに現れ、新型車「GR GT」が12月5日に世界初公開される……というテロップが出る映像に思わず腰が浮いてしまった。そうさ俺は福野礼一郎の大ファン。レクサスLFAは特別なクルマなんだぜという氏の熱弁をさんざん読んでおきながら、LFAのプラモデル組んだことないじゃん。ヤバいじゃん。そして組んだら脳汁が爆発したのでみなさんも爆発しましょう。

即ポチ、翌日到着、夕飯を食べて即開封。タミヤカタログで見たことはあったけど、なんだこのハコの中から溢れ出すラグジュアリーなオーラは!これがLEXUSのチカラだとでも言うのか。そうです。LFAはトヨタが工場の中に専用工場を作って(!?)わずか500台のために特別なチームを結成し、このクルマのためだけに開発されたあれやこれやを手で組み立てて送り出した空前絶後のスーパーカー。国産最高額、もちろん最高速。タミヤもそれを表現するために「ボディ組まなくても展示できちゃいます」とハコで言ってるんですよすごいでしょ。

この銀色のパーツだけを組めばだいたいこのクルマの駆動系については全部わかったような気になれるというのがすごい。タミヤが「フルディスプレイモデル」と謳うとき、それはエンジンも組めるということ。2011年のプラモデルですからね。パーツの合いが悪いとか取り付け位置がアヤフヤとかいっさいなし。切って、貼る。そしたら、カタチになる。ただそれだけのことがひたすら楽しいやつ。

エンジンとトルクチューブを接合してサスペンションと排気管付けて、ホイールにタイヤ履かせてアクスルにぶち込み、LFAのキモのところができました。説明書の指示通りに組んでいるとこうはならないんだけど、この状態で展示してもいいのよ、とタミヤは言っている。そしてここだけでもLFAがいかにとんでもないクルマなのかが俺にはわかる。なぜなら俺は福野礼一郎の大ファンだから……。

ということでここでCMです。「クルマはかくして作られる 4」を買いましょう。この本とこの模型は不可分であり、ニコイチでようやく全貌が理解でき、なんならお互いの面白みが100倍くらいになるという相乗効果があります。これは本当です。
このクルマがどういう思想で設計されて、どういう技術で作られていて、そうすると何が嬉しいのかというのを信じられないくらいの量のテキストと写真で綴ったこの本は、LFAのプラモが横にあると100倍理解しやすくなります。逆にこのプラモデルを組みながら「このパーツはなんでここにくっつくんだよ」と思ったらこの本を読めば全部書いてあります。そう、我々はLFAが買えないからプラモデルを買うんじゃないんですよ。プラモを通してLFAを知り、福野礼一郎にビビり、そして1台作るごとに赤字を出しながら伝説となったLFA(いま中古で2億円とかするらしいよ)に対する信仰を新たにするわけです。プラモデルを通して世界を観測しているんですよ我々は。

最初は駆動系だけ組んで終わりにしようと思ってたけど『クルマは〜』を読んでいたらやはりCFRPモノコックとアルミ押出材のサブフレームの官能を味わいたくなってしまい、いやSMCで作られた外板の検査工程に胸打たれてボディを作ってしまい、なんだかんだでLFAの三枚おろしがここに爆誕。こういう写真が撮れるプラモデルって、そうそうないのだぜ。そして「ふーんクルマがバラバラだねぇ」くらいの解像度だったあなたも『クルマは〜』を読めばこの景色が非常に崇高な奇蹟のようなものに思えてくるはずなのですわ。

接着剤使わずに3つの要素をガポガポガポとはめ込めば寸分たがわずビシッと噛み合わさってLFAがラインアウト寸前。おーカッコイイですねと惚れ惚れしてからおもむろにバラして駆動系をコロコロしてヌフフ……。さらにまた本をめくって「うわーここのディテールも再現されてるぅ〜」「あーさすがにこの構造はプラモデルのサイズだと無理かぁ」と遊べてしまうッ!こんなの、「塗装して完成isゴール」って決めてギチギチに作り込んで順序よく組み立てていたら絶対できない遊びですからね。プラモデルの楽しみ方って、ひとつじゃないんだぜ。

最高の参考書があるからこそ全てのパーツが輝き、そして最高の立体物があるからこそ圧巻の参考書がみるみる理解できるようになる。稀代のスーパーカーだからこそ成立しうる夢のような関係性をあなたにも味わってもらいたいので、ぜひともみなさんプラモと本をいっしょに買いましょう。モトが取れるどころじゃなくて、人生変わっちゃうような体験になりますよ。ああ、タミヤがLFAを作ってくれている世界で、福野礼一郎が物を書いている世界で本当によかったな……。