
ファインモールドは1/72シャープかつバリエーションにこだわった航空機キットを発売しています。F-15やF-104など最近ではジェット機、そして零戦などを思い浮かべる人も多いでしょう。しかしその前にも、ドイツ軍を代表する戦闘機・メッサーシュミットBf109でそのこだわり&バリエーションが炸裂していたんです。


今回ご紹介する「メッサーシュミット Bf109 F-4 Trop「マルセイユ」」は、そのこだわりメッサーシュミットシリーズにラインナップされているもの。2026年に再度発売されたもので、砂漠を駆ける航空機エース、ハンス=ヨアヒム・マルセイユの乗機をプラモデル化したものです。Bf109もとてもバリエーションが多い航空機ですが、ファインモールドはランナーを小分けにしてそのバリエーションに対応した、というのが全体を見渡すと浮かび上がってきます。

そして彫刻も冴えたものがしっかり入っています。翼のリベットもさることながら、脚柱の入る部分のうっすらしたへこみもしっかり入っているます。最近別メーカーの、より大きい1/32スケールのBf109を見た時に気がついたディテールが、ファインモールドは1/72スケールでも表現していたことに驚いたのでした。

マルセイユさん……ではなく、共通の人ではありますがパイロットも入っています。シートの部分は下に敷くパラシュートも別パーツになっていて、この機体にかかわる人の要素にもこだわりが見て取れます。

ファインモールドと言えばおなじみ説明書の濃厚な解説。表題のマルセイユの解説の前に、なんでアフリカにメッサーシュミットが行ったのか、そして砂漠でのバリエーションの特徴は、とスタート段階から気合が違います。あのドム・トローペンの足についているエアフィルターの解説も本当によくわかります。


なんと塗装図4種類、すべてマルセイユの乗機。このハンス=ヨアヒム・マルセイユというパイロットは本当にすごいパイロットで、大学生みたいな年齢にもかかわらず凄まじい撃墜スコアを挙げていました。塗装例4のときだけ幅広のプロペラを使うようになっています。だから2種類入っていたんだ、とこれまた個人の乗機の違いにも思いを馳せる仕様。

再生産分から、パッケージが左右で開くタイプになって、裏面にも印刷できるようになりました。おかげで塗装の助けになる展開図がカラーで見られます。砂漠のBf109は上がベージュで下が水色なんですよ。機体で見ると色の差が大きく感じますが、下から見たときと上から見たとき、それぞれに背景に溶け込む色なんですよね。

このキットはパーツの合いが良いところも魅力です。バリエーション展開のためにパーツをバラバラにしても、きれいにパーツがはまる。さらにはエンジンまでそれっぽく仕立ててあります。


ファインモールドは1/48彗星やF-4など、バリエーションをつぶさに立体化している歴史があります。その情熱のほどばしりが、今となっては昔になってしまいましたが、Bf109でもしっかりあらわれています。今回再発売になったのは4種類のメッサーシュミット。ひとつ買っても面白いですが、ふたつ買うとそのこだわりが際立ってさらに楽しめます。奥が深すぎるBf109ワールド、ファインモールドの傑作キットでぜひ覗いてみてください。