
肴はあぶったイカでいいけど、刃物は出来れば炭素鋼がいい。
これについては一切の根拠などなく、ただただ個人的な嗜好でありますが、切れ味が落ちても自分で研ぐことのできる手入れのしやすさと、雑に扱うと錆を誘発する面倒くささ。プラモデルを趣味にする人は結構好きな人も多いんじゃないかと勝手に思ったりもします。
さて、シモムラアレックさんより発売されている「KISA-GU二面刃(針型)」です。

KISA-GU、漢字でいうと「刮ぐ」。きさぐための工具を「きさげ」といいいまして、プラモデル工具業界でも多種発売されていますね。「刮ぐ」という行為は多分、機械業界と工作業界でちょっとやることが変わっていて、機械業界でのきさげ加工は平面をより潤滑にするための加工。ぜひ動画で見てほしいのですが、ノミのような工具でリズミカルに平面を整えていく匠の技は時間を奪われます。
対して工作業界での「刮ぐ」は槍のような刃物でかんなのように削り落とす作業。彫金とかでよく使われております。プラモデル業界には多分こちらから流入したのかなと思っています。すじぼりに使われるタガネも彫金方面からでしょう。
さて、工具の歴史をちょっと知ったところで、本品を見ていきましょう。「刮ぐ」、言い換えれば削りとるという作業を行う工具であります。ゲート処理や面出しを行う工具ということで各社から諸々発売されてますね。最近流行したのはマジ・スクが有名でしょうか。デザインナイフを横に滑らしてカンナみたいに使うのも同じ効果を求めてのことですね。我が家にも沢山の似たような効果をもたらす工具があります。違うんだよかーちゃん。
本品の特性は名前からもわかる通り「針型」。その細さです。そんならこの手元にあるファンテックの超硬スクレーパーも同じものでは?違うんだよかーちゃん。

世の中の刃物の基本的な考え方ですが、硬さと鋭さは脆さとの選択式です。KISA-GUの素材は書かれているとおり白紙2号。包丁などでも非常にオーソドックスな素材で、硬度はもちろん、タングステンやセラミックより下ですが、その分粘り、頑丈さには定評のある素材です。針型という通り基本的には狭いところを先端の細いところを使ってこちょこちょやりたいので、そういう場合、鋼の特性が非常に生きてきます。硬い工具でも繊細な操作ができる人はいいんですけども。私も比較的力任せのゴリラなので。ウホ。ゴリゴリ削るウホ。

細かいところをゴリっと削れて平らにならすことができる。両刃になっているので左でも右でも押しでも引きでも使える。鋼なので持った時にテンションが上がる。(個人的感想)テンション上がったから持ちやすいようにグリップ作っちゃう。世にプラ用キサゲは数あれど、意外と少ない、細くて頑丈なキサゲ。なかなか使いやすいですよ。