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【レビュー】模型の海を漂流して見つけた小さなタグボートのプラモデル/アオシマ 1:200 シュミット・ネダーランド

 まだ残暑が厳しかった頃、気がついたら小さな模型店の棚の間をクラゲのように漂流していたのはあるいは照りつける太陽から逃げ込んだ先がそこだったからなのでしょうか。かすかにホコリ臭いエアコンの風を首に感じつつ、恐竜や宇宙船やモンスターなどが雑多に配されている「なんとも分類しがたいキット」が集められた名前のないコーナーに漂着します。そこの棚で外の暑さを忘れさせる、涼しげな海風のようなボックスアートが目に入ったのが今回紹介するアオシマ 1/200 シュミット・ネダーランドです。

 不勉強ながら私はこのボートのことを全然知りませんでした。解説文によれば大型帆船支援用のタグボートだそうで、なるほど小さめの船体に不釣り合いに大きなスクリューやデッキ中央に牽引用ウインチが備えられていますね。でもこれを選んだのは箱絵に惹かれたから、という理由だけではありません。パッケージングからきっと「いい塩梅」なキットだろうという予感がしたからです。

 帰宅して箱を開けるとスライド金型で一体成型された船体とかっちり成形されたパーツがお出迎えします。二枠のランナーにはスクリュー・錨・浮き輪・救命ボートといった船特有の艤装が細かくモールドされ、各パーツはシャープですが細かすぎるというわけではなく精密感と組やすさが両立したものでした。

 全体としてスケール相応サイズ相応に適度にデフォルメされ、非常に「いい塩梅」で組み立てながら予感の正しさを噛み締めます。そのため組み立てもスムーズにできますが、唯一マストに直交するヤードの部品だけは接着が大変で手が三本必要だったのでバイスで保持しながら作業しました。

 最後に船体を囲むようにタイヤを貼り付け、完成してみると大ぶりなスクリューとふくれた河豚のような丸みを帯びた船体のコントラストはコミカルなキャラクター性を強調しつつも操舵室後方のディテールと突き出たマストがシルエットを引き締めます。サイズも全長15cmと手ごろなものながらギュッと縮めた凝縮感に満足です。

 それにしてもよくこんなモチーフをキット化したな……と調べてみたら、これはもともと1984年にイマイから発売されたキットだと知り、アオシマ製じゃなかったのかということと、そんなに古かったのかということに驚きます。とはいえこれを立体化したイマイと、その金型を引き取り今もこうやって流通させているアオシマの気概に感謝です。
 模型の海を漂流した先で出会えた小さなタグボート、いい塩梅なのでみなさまもぜひ味わってください。

Branz01

静岡県出身・大阪府在住の1985年生まれ。本業はマシーンの研究開発で模型は心の栄養です。

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