
ここのところ永遠に忙しかったのですが、ようやくポッカリとヒマができたので楽しみにしてた『アーマード・コア6』のプラモを組みはじめたんですわ。バンダイの30MMシリーズの「ナイトフォール」。
『アーマード・コア6』内ではいわゆる「看板機体」に相当する、ゲームを遊んだ621たちなら誰もが欲しくなってしまうACです。

「言うて30MMでしょ……」みたいな気持ちでトゥートゥートゥートゥトゥーと鼻歌歌いながら適当に組みはじめたんですが、「工程1」から1/700艦船模型みたいな小さいパーツを組み立てろみたいな工程があったので襟を正してピンセットを持ち出しました。細かい。こんな小さいパーツ使ったプラモを「レヴェルノヴァ」とかと同じブランドで出したんですか!?

筒状のパーツとかじゃなくてこんな薄い板状パーツ抜くためにスライド金型を使ってるんですか?頭組むだけでなんだか設計者の「せっかくだからいろいろやっちゃうぞ」が感じられて、ワーってなりますね。
で さらに「えっ!?」ってなっちゃったのが肩ブロックの後ろ面。

なにその…… 肩口のなんか変な「線」は。なんですかそのみみず腫れみたいなのは。なんか斜めにシビビビビッと青筋みたいな線が入ってるのがおわかりでしょうか。なんだこれは。
最初は「変なパーティングライン(金型のオスとメスの合わせ目にできる微妙な線のこと)が入ってるな。なんだこれは」としか思わなかったんですが、よく見ると……なんか「リブ」的な彫刻に見えてくる。ほっっっっっとんどパーティングラインと同化してるけど!

で、なんだか猛烈に気になってしまって資料を引っ張り出したりしてしまった。た、確かにある! なんかピンピンッて放射状にナナメの線が入ってる!
で、パーツがランナーにくっついてる状態で改めて見てみると、やはりわざわざ、ここにパーティングラインを設定して、うっすい微かな彫刻を故意にを入れていることがわかります。こ、こんなモールドを、わざわざ?思わずゲームも起動して確認した! 入ってる!確かにこの線、あるよ! なんか冷静になって見ると、凸の線じゃなくて凹んだ線のような気がするけど、確かに入ってる!『アーマード・コア6』は100時間くらいは遊んだし、常に背中を見るゲームではあるけど、このモールドに目が行くことなんて無かったぞッ。

だってこんな彫刻さ、気にしない人は気にしないし、気になって凝らない人は「なんか変だな!」って思うだろうし、凝る人は削り落として自分で彫り直すだろうし……。なんかその、「こんな面倒なことしてまで再現する甲斐は、無いんじゃないか?」って思えてしまうような、そんな儚いディテールが、わざわざ! 何故ッ 何故なんだ設計者さん!
しばらく考えてみたんですけど、多分「気づいてしまった」「気づいてしまったからには入れたかった」んじゃないでしょうか。この彫刻が最終的に歓迎されるとかされないとか、活かされるとか活かされないとかはどうでもいい。ただ、「在る」ことを認めたディテールを、愚直に入れることを「選んだ」。そういうことなのではないでしょうか。

「選ぶのはいいことだ。選ばない奴とは、敵にも味方にもなれない」
シンダー・カーラもそう言っていた。そう、おそらくこの「ナイトフォール」の設計者は……あっ、やめましょう。
この儚いディテール、しかし意思のこもった彫刻はアーマード・コア流に「アーキテクト」って呼ぶぜ!「ナイトフォール」のアーキテクトは……その機体の操者「レイヴン」同様に表したのでしょう。選び戦う意思を。
そうなれば心を込めて組み立てさせてもらいましょう。燃え殻に火を点けられた者として。