

常識的なプラモデルのパーツの大きさを想像して上の写真を見ると「説明書が豆本なのか!?」と思います。しかし説明書が小さいのではなく翼のパーツがデカすぎるのです。海洋堂の新製品、「ARTPLA SCULPTURE WORKS エヴァンゲリオン量産機 “襲撃”」は、とりあえず翼の話だけで酒がウマい。
1997年に原型師の谷明氏によって造形され、海洋堂からレジンキットとして発売された伝説的なアイテムを、3Dスキャンによってデジタルリマスターし、プラモデルの金型に起こした……と書けばなんかそれっぽいですけどまずハコを見てくれよ翼がデカすぎるだろういくらなんでも。パッケージの1辺は40cmくらいなんですが、翼以外のパーツはハコの1/4くらいの面積に収まっているのに対し、残った部分は翼を入れるために存在する空間!

翼を小さく分割すればもっとハコが小さくできたんじゃないんですか……というのは無粋なんですよ。当時のレジンキットも翼は一体になっていて、日本では生産できないから特殊な複製ができる中国の工場に製造を依頼したといういわくつきの製品。その衝撃的な「でっかいワンパーツの翼」をレジンキットでは成し得なかった、お求めやすい価格&接着も塗装もしやすい素材で手に入れられる……という体験がこのプラモデルのコアにあるわけです。

もちろん、物理的にもでっかい翼はワンパーツになっていたほうが組み立ても楽だし強度もあるし原型の意図がストレートに伝わるというもの。とはいえ、金型どんだけデカいんだろうこれ。

あまりに巨大な翼のパーツ。じつのところプラモデル的な「ワク」はなくても製造できるんだけどぐるっと一周ランナーで囲まれています。これは翼の表面に金型からパーツを外すためのピンの跡を残さないため……というテクニカルな理由も考えられるのですが、それにしても長い棒がそこかしこに突き出しています。
この「柱」は製造時や輸送時にパーツが歪んでしまわないように、パーツを置いたときに全部のピンの先端がツライチになる長さに設定してあるんだそうで。たくさんの柱に支えられた巨大なパビリオンの屋根みたいでいいなぁ、組む前から楽しいぜ……。

冷静に考えると翼を取り付けたら量産機の背中なんかほとんど見えないんですよね。そのシンプルさ、ディテールの少なさゆえに不気味な雰囲気を醸し出す体に大きな翼を取り付けるのは……これを読んでいる貴方です。あっという間に取り返しのつかない巨大な造形が部屋の中に爆誕する強烈な体験を、みなさんもぜひ味わってください。めちゃくちゃに楽しいプラモケイです。そんじゃ、また。