

あまりに巨大なパーツを前に、わが家の接着剤たちがたじろいでいます。ちゃんと出来あがるんですかこれ。いや、出来あがったらどこに置くんですかこれ……。そんな囁き声が聞こえる気もしますが、思いきって組んでいきましょう。これはわたしにとってちょっとスペシャルなプラモなんですからね。

このキットは、チェコのスペシャルホビー製 1:32ウエストランド・ホワールウインド。飛行機プラモで1:32というとそれなりに別格の感が漂ってくる大スケールで、ゆえにプラモ化される機種も限られてくる領域……のはずですが、有名機とは言いがたい控えめな存在のホワールウインドが、堂々1:32の巨大なプラモになっていたのです。

「目立たない子だけど、わたしはその良さを知ってるんだ……」みたいなタイプの飛行機が、特別サイズのプラモになっている状況。しかもパーツはご覧のとおり、かなりシャープに見えます。
つまりこれは、わたしの狭くこじれたストライクゾーンに放り込まれた絶好球。手を出さないわけにはいきませんよね。じつは何より、「あの子の良さを知ってるやつが、ここにもいるぜ……」みたいな念を、チェコに向けて送り返したくなりまして。

さて、いきなり結構おもしろい。「せっかくの巨大プラモも、序盤はいつも通り操縦席かあ……」なんて組み始めたところ、小さな装置類が大スケールゆえの高解像度で描かれていることに気が付きました。機体全体が大きいぶん、細かい箇所が相対的にカリカリに見える魔法も効いているのでしょう。このキットはプラパーツのみの構成で充分シャープなエッジ。おかげで気をつかわずゴリゴリ進みます。これだけ立体的だと陰影を付加していくのもさらに盛り上がりますね。

わはは大きい! 主翼はちょっとしたブーメランのよう。ときに両手で抱えながら、大きな物体をメキメキ組み上げていきます。
どんな具合のプラモかと緊張ながらに組み始めましたが、パーツの合わせに関しては一切の心配無用でした。主翼と胴体・キャノピーなど、肝要な部分は完璧といえる好フィッティングです。ありがたい。
強いていえば、脚部を中心に「のりしろ」が少なく、空中ブランコ的な工程も登場します。決定的にしんどい場面こそないものの、それなりにじっくり時間をかけたいプラモではありますね。

できあがりました! わが家の接着剤も安堵の表情を浮かべています。機体のフォルムをダイナミックなパースで眺める大スケールの醍醐味を存分に味わえましたし、なによりこの「控えめな子」を我が手で巨大プラモとして仕上げた特別感でいっぱいです。好きなモチーフこそどんどん組んで愛でていくべし、なんて再確認できた気持ちですね。ということでチェコ・スペシャルホビーのみなさん見てますか、おかげさまでこちらは満腹です~!