

アーマード・コアとは、頭、胴(コア)、腕、脚、武器など数百種類ものパーツの中から自分好みのロボットを組み立て、舞い込んでくる依頼を武力を持ってこなしていくアクションゲームのタイトルであり、プレイヤーが操縦するロボットの総称です。その新作発表が昨年末にありました。前作から約10年という長い長い時間を経て全世界のファンに贈られたサプライズ。私も心の奥底に闘争を求めていた一人です。

模型専門誌において特にロボット物の記事がお気に入りで、ガンダムやゾイドなどの改造例を眺めることが楽しみでした。「上手に作れるようになったら雑誌に載っているようなカッコイイ作品を作るんだ!」とHow toを読み込み、いつか完成するであろう理想の作品を妄想する日々を送りました。
そんなとき、とある記事にが目に留まりました。学生時代に遊び倒したゲーム、『アーマード・コア フォー・アンサー』に登場するホワイトグリントの作例です。白い外装が戦闘のダメージで剥離した状態をみごとに再現した作例は、ゲームの画面からそのまま出てきたような格好良さで、心を揺さぶられ早速キットを購入。同じように作ってみせるぞ!と意気込みました。

しかし、完成には至りませんでした。工作や塗装を真似しようと試みたものの思うようにいかず、ここから先は技術が身に付いたら進めようと箱に戻しました。
月日が流れ、アーマード・コアVI発表の日、ゲームを遊んだ思い出と未完のプラモデルの記憶が蘇ってきました。押入れの片隅に放置されたそのキットともう一度対峙することに決めました。コアと腕部は組み立て済みで、一部の部品には改造した形跡もあります。雑誌のように作れるだろうか、失敗したらどうしようと不安でいっぱいになり手を止めた記憶が形となって残っています。
塗装をして汚しや傷を描きこんで雑誌の作例に近づけるぞ、という熱意は霧散しましたが、完成したホワイトグリントを見ると今まで放置していたことへの申し訳なさがこみ上げてきます。それほどに迫力があり格好良いのです。
じつはこの機体、ゲーム同様に変形することが可能です。ゲームではボタン一つで高速移動形態に変形しますが、プラモデルではそうはいきません。頭をコアの中に押し込んで腕部を前に突き出す、脚部をピンと伸ばし後退させる。背中のブースターを横一文字に展開。単純な変形でもパーツを壊さないように慎重に取り扱う必要があり、戦闘用ロボットなのに繊細すぎることに気付かされます。

ゲームの新作はもう出ないだろうと諦めていました。それでも、ゲーム開発会社であるフロム・ソフトウェアが好きな気持ちを忘れずに待っていれば良いことがあるよと教えてくれたように、未完のプラモデルたちにも完成する日がいつかくるんだよと教えてあげたい。箱の外の世界に出ることを待ち望んでいるプラモデルたちは私と同じ気持ちなのだと気づかされたのです。