

「水転写デカールを貼る」というハードルさえ突破すれば完全勝利できると発見できたのがハセガワの「自動販売機プラモ」だ。1/35スケール『建設作業員セットB (休憩3体セット & アクセサリー)』におけるこの真の主役は、デカールを貼るだけで強力な実存感を得られてしまう。しかもけっこうなスピード感をもって手乗り自動販売機が組み上がる。ハセガワの数あるラインナップのなかでも個人的金賞を贈りたい傑作キットである。

筐体は白のプラスチックを活かして無塗装でデカールを貼っていき、クリアパーツもデカール貼れば飲料水でしかなくなる。以前は難関と感じていた水転写デカールなのだが「デカール軟着剤を対象に塗ってからデカール置いて放置!」と合わせて「複雑な形状に追従させるならさらに上からデカール軟化剤の塗って放置!」のメソッドを知ってからはデカール貼りを恐れなくなった自分。なので今回のような「水転写デカールが本体では?」と思えるキットを前にしても、がっぷり四つで向き合えるようになった。

クリアパーツにデカール軟着剤を塗り、そこへ飲料水のラベルが連なるデカールを置き、その上からデカール軟化剤を塗ってからは「いっさい触らず」放置。夜、寝る前の作業から一晩明ければビシッ!と缶やペットボトルにデカールが追従して商品サンプルの陳列が完了。 軟着剤と軟化剤でヒタヒタのデカールを触りたい気持ちをグッとこらえるのが吉。放置して他事をしている間に自然乾燥しているくらいがちょうど良い。

プラモ向上委員会『デカーリングQuickトレイ』もデカール貼りの強い味方。一度に多数のデカールを湿らせることができるし、糊が水に溶け出さないようスポンジを自ら引き上げておくギミックも備わっている。ちなみに私は台紙をデカールごとに切り取るのが面倒なので、ピンセット直掴みでパーツに置く派。ただ、年季モノのデカールは容赦なく引きちぎれるので要注意。基本どおり台紙ごと対象にそえて滑らすようにデカールを置こう。
1/35スケールながら抜群の存在感ある自動販売機が完成。筐体のベースとゴミ箱は水性ホビーカラーでベタ塗り。加えて水性プレミアムトップコート半光沢をクリアパーツ以外に吹き付けるだけでリアル風味が立ち上がる。自動販売機の実存が強いのでドイツ機関銃チームのオジサンらが「コスプレの人たちかな?」みたいな今現在の雰囲気になってしまうのが面白い。自動販売機の「場を掌握する力」がマジ強ぇ。

「自動販売機がこのキットの真の主役」という横着な宣言ではじめた今回だけども、この『建設作業員セットB』の女性(現場監督)と男性ら(警備員・作業員)のミニチュアも抜群の存在感なので、その話もまたの機会にしたい。 とにかくバリュー盛り盛りの嬉しさ満載キットなんだー!傑作!