






太くてまんまる。大きくて厚みのある翼、キャノピーから見える人が小さく感じる胴体、P-47Dの印象は”とにかくデカイ”に尽きます。
なぜこんなにでっかいのかといえば、力強く飛べるパワーを求めて、ターボチャージャーを装備したからです。ただでさえ2000馬力を発揮する強いエンジンにターボチャージャーを……!

ターボチャージャーは胴体下部を通ってコクピットと尾翼の間まで伸びています。だからやたら上下幅もあるし、太いんですね。このターボチャージャー、端的に言えば空気の薄い高いところでもスピードが出るよ、という効果です。かなり面白いところなので、世界の傑作機No.154 P-47 サンダーボルトを読んでください。いつだってターボチャージャーは面白い。F1でも、飛行機でも。

P-47Dはいろいろスタイルがあるのですが、このハセガワのキットはバブルキャノピーと呼ばれるスタイルです。それまでは胴体が盛り上がってキャノピーにつながるラインを持つレイザーバックというスタイルだったのですが、後方が見づらいという現場の声に答えて後ろを削ってキャノピーを水滴型に変えました。

丸いうえに中翼(胴体の真ん中あたりから翼が生えている)構造なので、翼のつなぎ目がちょっと胴体から生えています、それでも合わせるのは難しくありません。

翼もデカければ、搭載した武装もモリモリしています。片翼4つも機銃があるんです。さらに翼の下には1トンもの量の装備をぶら下げる余力だってあります。だからこそなのですが、このP-47、対戦闘機に加えて、地上を支援する役割を担っています。地上からの銃撃に耐えながら、8丁の機銃で上から撃ち合う姿は、支援される側からは頼もしく思えたことでしょう。

愛称はサンダーボルト。地上を支援したその姿にあやかってか、A-10攻撃機にその愛称は引き継がれています。


飛行機模型を集めていくと、士の字で先頭にプロペラがついて、というスタンダードなスタイルのなかにも個性があることがわかってきます。同時期の他の飛行機と比較すると、P-47の豪胆なスタイルをより認識でき流と思います。たくましいこのP-47の姿を、模型でもぜひ楽しんでください。