

タミヤ最新の戦車模型「1/35 ドイツ連邦軍主力戦車 レオパルト2 A7V」の履帯(キャタピラっすね)がマジですごい! このランナーの中に「戦車模型における履帯の歴史」が全部入ってます……全部です。しかも超精密な履帯が片側約1時間で組めます。
戦車プラモのメインパーツである「履帯」は、本当にさまざまなパターンのパーツ分割や素材、組み立て方が存在します。古今東西の戦車模型の履帯も見ながら、レオパルト2A7の履帯パーツがいかに最高なのかをみていきましょう。
模型での履帯の表現を見ていきましょう。昔からの定番は「ベルト式」といって、すべてを軟質素材で一体にしてつくっておき、一箇所接着すればあとは輪っかになるというものです。もっとも組み立てがラクな仕様です。しかし、弾性のある素材ゆえにピンと張ってしまい、履帯の重みが表現しづらいというところ、穴の空いたセンターガイドなど形状によっては再現できないものがあるとか、シンプルであるがゆえの制約もあります。

次の方式としてはある程度まとまったブロックごとに履帯を分割しておいて、接地面をロングストレート、カーブは個別に接着していく、という「部分履帯方式」があります。これは2番めにラクな方式で、履帯のたるみなどの表現に優れますが、我々が設計の意図からズレたつくり(指定枚数を間違ったり、パーツを綺麗に切り離さなかったりなど)をすると、お互いに悲しいすれ違いが起きてしまいます。

最後は「本物がそうだからそうするという分割方式」で、1枚1枚の履板やコネクタを取り付けていく方式になります。本物同様に可動するものもあります。写真は先日組んだアミュージングホビーの「エイブラムスX」の履帯。可動方式は長さやたるみの調整も思いのまま、パーツも精度が高いものも多いですが、これまたご想像どおり組むのがとにかく大変! エイブラムスXも、がんばって片側1日ずつ、というスケジュールで組みました。

さぁ、先ほどの「履帯パーツの歴史」を見た上で、タミヤのレオパルト2A7の履帯を見ていきましょう。下の写真が組み上がった状態です。これがどのように組み上がっていくのでしょうか!?

レオパルト2A7のプラモの履帯の特徴は、カーブしている部分を「可動履帯(バラバラ)」、地面に接する部分や車体上面側のストレート部分はプラ製の「分割履帯(一体式)」のハイブリッドとしたところにあります。可動履帯による自然な弛み、そしてピンとまっすぐに伸びたカタチの部分は少ないパーツ数で表現してしまう……という、イイとこ取りをしているわけです。

上の写真が個別に組むカーブ部分。外側と内側のパッドにダブルピンのコネクターを挟み込んで接着していきます。これだけ見ると「大変そう……」って思いますよね。
でもここの組み立てはとっても楽。二軸のピンの片側が軸ではなく、パチパチっとはめられる突起になっているのです。これでベルト履帯並みの組みやすさと柔軟さ、可動履帯の正確な動きも僕たちはゲットできるのです。

そしてこちらは上下のストレート部分。端にひとつピン部分を挟んで、一気に何十枚ぶんをくっつけてしまいます。現代の戦車は上側がまっすぐなことが多いですが、このレオパルト2もまっすぐなのでしょう。こうして部分連結履帯のエッセンスをバッチリ取り入れています。

カーブは可動、ストレートは1本。接続も引っ掛けてパチっとはめるだけ。個別の履帯は19枚の組み立て、ストレート2本。本気でやれば1時間で片側が組めてしまうのです。

カーブ部分を可動にしたことで、現用戦車(とくにレオIIの!)長くて緩やかなたるみの表現が地球の重力のおかげで自然に再現されちゃいます。さらに各面3枚は余分が出るので、戻ってきた履帯が駆動輪手前でちょっとだぶついた感じを表現……なんてことも可能です。

カチッとしたディテールと履帯のカーブ表現追求、そして完成までのちょうどいいタイム……そうか、ダブルピンの軸の片方を変えれば世界が変わるという驚き。そして、このレオパルド2A7Vで分割も可動も組めるようになれば、他の戦車の履帯のウォームアップはできたも同然でしょう。履帯を組んで、レオパルド2A7V、さらに前進していきます!