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チグハグな色のハンドルとシートに教わるプラモデルのおもしろさ/タミヤ ポルシェ 911 GT2 ロードバージョン

 「プラモデルは完成させなくてもいい」と思うことは今までたくさんあったが、それをまざまざと味わう製品に出会ったことはなかった。

 タミヤの1/24 ポルシェ 911 GT2 ロードバージョンは、もともとレーシングカーである「タイサン スターカード ポルシェ 911 GT2」が発売された後に作られたもの。なので、実物とは反対にパーツを追加してロードバージョンの形にしていくことになるが、そのパーツのプラスチックは色が白い。組み立てていくとふたつのシートの色が白と黒の二色になるし、ハンドルの白さがとても目立つ。

 追加パーツはボディに取り付けるものもあるので、シートやハンドルもボディパーツの白に合わせることになった……ということなのだろう。この色の違いは塗装をすれば見えなくなるが、しかし色を塗らずに置いておくと「形だけを再現しました」というとってつけた様子がプラスチックの色のチグハグさから面白く感じる。ひとたびそういう見方をすると、ボンネットに隠れた内部も「完成したら見えなくなるので省略しています」という感じでユニークに見えてくる。

 プラモデルを作ることで実車の構造がわかるという面は確かにあるが、このように911 GT2を作っていると、色違いのシートや、省略されているボンネット下といった部分から実物を小さくしてプラモデルにする過程に「引き算」が介在していることも良くわかる。

 パーツをすべて取り付け、塗装をすれば完成に近づくのは明らかだ。個人的にはフロントライトのメッキのパーツを取り付けたときに「お、未完成のプラモデルから実車を小さくしたものに変わろうとしているな」という雰囲気を感じた。

 これ以上進めるとプラスチックの色の面白さよりも、塗装したくなる気持ちが勝ちそうだ。それもいいけど、この様子がプラモデル化されるに至るまでのいろいろな工夫が見えてとても楽しい。なので、未完成に見えるけど私にとってはこの瞬間が完成なのだと思う。

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クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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